つまり、極端な話、トヨタ系に勤務しているなら一生、トヨタ系のお世話になって人生を終えることになるのだ。

そういえば、トヨタ自動車が中心になって設立した海陽学園という学校もあった。

中高一貫のエリート養成校で、今年、1期生のうち13人が東大に合格したというから実力もハンパない。

子どもの教育も(それなりにお金はかかるけど)できるということだ。

企業側から見ても、トヨタ系の企業に勤めた社員が、生活にかかる費用の多くをトヨタ系企業に落とせば、完全な循環型エコロジーシステムとなる。

こう書くと、いかにも愛知県はトヨタに支配されており、周囲から反発されているように感じられるかもしれないが、実はそうでもないのだ。

例えば、結婚前の名古屋の若い女性たちの中には、「トヨタ関連の企業に勤める人と結婚したら、一生安心して暮らせそう」という考えの人すらいるようだ。

ふむ。

つまり安定度バツグンのトヨタ社に勤めるビジネスマンは、結婚のお相手としても理想的ということかもしれない。

さらに、豊田は暮らすのにも最適な土地だ。

中心部こそモダンでにぎやかだが、それを取り囲むように美しい自然が広がっている。

子どもが小さいうちは、緑に囲まれた地で思う存分遊ばせることができる。

愛知へ旅行する機会があれば、ぜひ一度、豊田市に足を運んでみてほしい。

豊かな自然に恵まれたこの地でなら、穏やかな一生が過ごせることがお分かりいただけるはずだ。

また、一見「普通の人」に見える手堅い技術者や実務家たちが、こと「TOYOTAのものづくり」となると、抜群のチームワークで世界をけん引する製品を生み出していくという点も素晴らしいではないか。

ところで、世界企業トヨタのスケールの大きさは、外国のドライブウエーを走っても分かる。

例えばアメリカ。

アリゾナの砂漠地帯なんかをドライブしていると、行き交う車の多くがトヨタ製であることに気がつく。

地域によって気候も異なり、悪路も多い大陸で、ガタイのいい白人のおじさんを乗せて疾走しているニッポンのTOYOTA車を見るたび、愛知県民というスケールを超え、日本人として誇りを感じるのは、きっと僕だけではないはずだ。