「コンビニ送金」は、SBIレミットがファミリーマート社と日本で初めて開始したコンビニエンスストアでの入金による国際送金。

インターネットで送金依頼を行った後、提携するファミリーマート内のファミポートを利用して、レジで入金が行える。

365日7時から21時まで海外送金を行うことができ、金融機関の営業時間外の送金を容易にしている。

栗田氏は、こうした顧客の視線に立ってサービスを常に改善して”進化”していくことが、SBIレミットの最大の特徴と強調。

常に顧客の声に耳を傾けながらサービスの改善を心がけているという。

サービスを開始して1年半の状況については、「着実に伸びているのは間違いない」(栗田氏)。

今後については、「どういうプロダクツを作ったらお客さんに喜んでもらえるかが全て。

数字はこのような地道なサービス改善の結果として後からついてくると思っている」と話している。

セブン銀行の海外送金サービスは、従来の海外送金の仕組みで利用者が感じていた不具合や不満をなんとか改善したいという思いが、開発のきっかけとなった。

従来は銀行や郵便局から海外に送金する場合、「窓口が少なく、長時間待つ必要がある」、「送金したくても店舗が平日の15時までしか営業していない」、「手数料が高め」、「書類記入の手続きが煩雑」など、より便利なサービスへの意見や要望があった。

また、労働力人口の減少で、就労のために海外から日本に入国・在留している外国人が増えていることや、企業のグローバル化による日本人の海外勤務が増えていることから、日本から海外への送金ニーズは、今後ますます増加していくと考えた。

セブン銀行 商品サービス部の廿浦(つづうら)隆次長によると、同社では、それまでのサービスへの改善や、事業の多角化という観点から、2009年に海外送金サービスに関するプロジェクトを立ち上げた。

プロジェクトでは、(1)便利なサービス、(2)いつでもどこでも使えるサービス、(3)長期にわたって繰り返し使うことができる安定したサービス、の観点からサービス内容を検討。

2011年3月22日、インターネットバンキング、モバイルバンキングでの海外送金サービスを開始。

さらに同年7月19日からは、日本国内に現在1万7,000台以上設置されているセブン銀行ATMからも、同サービスを利用できるようになった。

セブン銀行の海外送金サービスは、(1)原則24時間365日送金可能、(2)シンプルかつリーズナブルな送金手数料、(3)受取拠点が豊富、(4)送金から最短数分で受取可能、などの特徴がある。

廿浦氏は、サービス開始にあたって重視したことについて、「多くの取引を無人で安定して処理するためのしっかりしたシステムのインフラ作り」と、「犯罪に使われるリスクの除去」を挙げた。

セブン銀行の海外送金サービスを利用するには、同社の口座を作らなければいけないが、犯罪のリスクの除去という点において、非常に有効だという。

手数料は、1万円までの送金手数料は990円、5万円までの送金手数料は1,500円。

「従来の銀行での手数料は金額に関係なく数千円がかかっていた。

例えば、少額のお金を送るのに数千円かかっていては、かなり高い。

そうした意味では、個人向けの手数料としてはリーズナブルになっている」(廿浦氏)。

また、提携しているのは、世界約200以上の国と地域に45万カ所以上の拠点を有する世界最大の送金サービスネットワークを持つウエスタン・ユニオン。

ウエスタン・ユニオンに決めた理由について廿浦氏は、「圧倒的なブランド力と拠点の数が魅力で、なおかつそれだけのインフラを持っているということは、多くのノウハウを持っているということ。

安定したサービスの仕組みを作るには、最大手と組む必要があった」と話す。

さらに、セブン銀行の海外送金サービスの最大の”売り”はATMで手続きができること。

一旦口座を作り、海外送金サービス契約の申込みをすれば、送金が全てATMなどでできるので、従来は都度煩雑な手続きが必要だった海外送金サービスの利便性を格段に増している。

時間を問わずに送金できるのもメリットで、廿浦氏によると、セブン銀行の海外送金サービス利用者の9割近くが、ATMを利用しての送金だという。

昨年は、1年間で約3万件の利用があったが、今年はすでに4〜6月の3カ月間で昨年1年間と同じ3万件を突破している。

同社は今後4〜5年のうちに年間100万件の利用を目指しているそうだ。

廿浦氏は、「日本で働く外国人や、海外に在住・在留する日本人が増え、グローバル化が進んでいる。

人が動くということはお金も動くということであり、海外送金サービスは今後不可欠なものになっていく」と話している。