マネーのトリビア (27) 実はよく分かっていなかった?! 「円高」になるとどんな影響がある?

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すっかり定着してしまった感のある「円高」ですが、そもそも「円高」ってどういうことなのでしょう。

そして、円高だと何がどうなるのでしょうか。

「円高」というのは、外国のある通貨に対して円の価値が高いことを表し、「円安」は円の価値が低いことを意味します。

円高・円安を最も身近に感じるのは、海外旅行に行ったときでしょう。

10万円のおこづかいを持ってハワイへ行き、米ドルに交換するとします。

いくら買い物できるかが為替のレートによってどう変わるかを見てみると、次のようになります。

「1ドル=○円」の○の数字が小さいほどたくさん買い物ができる、つまり、円の価値が高い=円高、ということになります。

現在、円は米ドルに対しても、ユーロに対しても高い状態が続いています。

ということは、米国やヨーロッパへ遊びに行くにはいいタイミングというわけですね。

旅行だけでなく、円でお給料をもらっている海外駐在員や留学生なども、円安のときより円高のときのほうがリッチに暮らせます。

日本経済全体にとってはどうでしょうか。

円高・円安の影響をストレートに受けるのは貿易です。

米国に製品を輸出している企業は、米ドルで受け取った商品代金を日本で使うために円に戻す必要があるので、米ドルを売って円を買います。

このとき、同じ金額の米ドルでも、円高だと買える円が少なくなるので、円高はデメリットです。

日本の主力業種である自動車や電機などは輸出型であることから、円高は日本経済全体にとってマイナスというイメージが強いのですが、最近では、輸出企業も円建てで取引したり、為替の変動を避ける為替ヘッジという手法を使ったり、海外での生産比率を高めたりするなど、さまざまな円高対策をとっているので、以前に比べて円高のダメージは受けにくくなっています。

逆に、円高は海外の企業などを割安に買えるチャンス。

実際に昨年度、日本企業による外国企業のM&A(企業買収)は大幅に増えました。

M&Aが国際的な競争力を高めることにつながれば、企業にとってプラスです。

一方、日本は海外から原油や食糧を大量に買っています。

例えば米国から商品を輸入している業者の場合、商品の代金を米ドルで支払うために、円を売ってドルを買います。

同じ金額の米ドルでも、円高ならより少ない金額で買えるので、輸入業者にとって円高はメリットです。

円高だと、海外からの輸入品、例えばワインやブランドバッグ、化粧品などは安く買えます。

スーパーなどで「円高還元セール」を行っているところもありますよね。

特に今、原子力発電所の稼働が停止したことで、火力発電所などで使う原油やLNG(液化天然ガス)の輸入が増えているので、円高は日本にとってありがたいといえます。

こんなふうに、円高にはメリットもあるし、デメリットもあります。

とはいえ、このまま円高が続いたり今以上に円高になったりすると、輸出産業には厳しくなります。

自動車産業や電機産業は日本国内に関連する企業がたくさんあるので、円高は日本の経済全体にダメージを与えます。

反対に、大幅な円安になれば、輸入品の価格が上がることになります。

特に原油価格の上昇はさまざまな製品の価格を押し上げ、日本人の日常生活を圧迫します。

今後の為替の動向から目が離せませんね。