語学力の向上は慣れと度胸がカギ

海外駐在員ライフ Vol.160

From Australia

語学力向上のカギは慣れと度胸?


■非公式ミーティングが怖くなくなった

こんにちは。フィッフィです。今回は、語学力の向上についてお話しします。

私の場合、オーストラリアの前の赴任先が非英語圏であり、「次の赴任先も同じ国」という会社の不文律もあったため、英語圏に駐在することは想定しておらず、英語については特に何の準備もしていませんでした。学生時代、英語は決して得意ではなかったことに加えて、赴任後も腰を据えて英語を勉強する時間が持てず、英語はもっぱらOJT(On the job training=実地訓練)で身につけたと言ってもいいでしょう。

しかし、結果的にそれが功を奏したのかもしれません。語学力は、その言葉に長い時間接すること、下手でもいいから恥ずかしがらずにとにかく伝えようとすること、この2つを繰り返すことで、ある程度までは習得できると考えるからです。私も、毎日、仕事や生活で英語に接することで度胸と慣れが出てきて、少しずつではありますが、自然と上達している気がします。

例えば、赴任当初は電話が鳴る度にビクっとしていましたが、今ではすっかり慣れました。電話をかけたり、会議に出席する際も、予(あらかじ)めメモを作って準備をしないと不安だったのですが、今では、よほど重要な会議でない限り、不要に。「特に用はないんだけどさ、ちょっとcatch up(情報共有)しようよ」と言われて設けられた非公式のミーティングについては、議題がわからないので準備のしようがなく、最初のころはビクビクしていましたが、今は「どうぞ。何時にします?」と対応できるようになりました。

メールや書類を読んで処理するスピードも格段にアップしました。一字一句読んですべてを理解する必要がないこと、ポイントさえ押さえればいいことがわかったおかげです。やはり「慣れ」なのだと痛感しています。

今でも、なるべく英語でしゃべったり、メールを書いたりして、英語を使ったoutputを心がけています。使ってみないと気づかない新たな発見がたくさんあるからです。また、大人数の会議に出るときには、必ず1回は発言すると決め、自宅でのプライベートの時間にも、ニュースを聞くようにしています。


■冷静に次の一手を考える柔軟性が身につく

日本人は、予め周到な準備をして計画通りに事を進めようとし、決められたことを忠実に実行する能力や、仕事の緻密さに秀でていますが、その一方で、「変化」には非常に弱いと思います。想定外の事態に対する対応力は、オーストラリア人はじめ、ほかの国の人々の方が優れており、より柔軟性があるように感じます。

海外では、前に自分が言ったことを、特に悪びれずに「撤回」する人が多いのですが、日本の人だと、とかく「なぜ前に言ったことと違うのか」という「原因追究」に注力してしまいがち。しかし、オーストラリアの同僚や部下たちは、「じゃあ、こうしようか」と提案したり、「ちょっと考えてみるよ」と前向きに検討するなど、うまく切り替えて処理していきます。感情は押し殺して、冷静に次の一手を考える姿勢は、非常に合理的で見習うべきもの。そう思って私も実践しています。

常に最悪の場合を想定することもその一つ。そうすると、最悪の事態に陥った場合も、すでに対処法を考える準備ができているので、スピーディーな対応が可能です。また、めまぐるしい変化の中では、自分の「直感」も大事。オーストラリアは、新しい法律や税制が次から次へと制定される国なので、ビジネスを展開しにくい面があるのですが、「これは多少のコストをかけてでも、事前に準備しておいた方が良い」と思われることについては、本社に反対されても、自分の直感を信じて貫きました。結果的に、成功につながって何よりでしたね。

海外で働いてみたいと考えている学生の皆さんには、日々の授業やクラブ・サークル活動、ゼミ・研究活動、あるいはアルバイトなど、いろいろな経験を通じて、人脈や課題に対する取り組み方・考え方を培っていくことが必要だと思います。語学力は、あればあるだけ良いとは言うものの、必要なのは語学力だけではないと思うからです。また、日本でできる勉強にも限界があるので、旅行でも短期滞在でもいいから、早いうちにその国で、その国の言語を使う機会を作ることをお勧めします。そうすることで、その後の学習のモチベーション向上にもつながると思いますよ。