アジア地域では、相対的に高い経済成長や、それに伴なう物価の上昇、労働に関する権利意識の高まりなどを背景に、賃金の引き上げが続いています。

加えて、中国やタイなどのように、当局が製造業主導の経済成長から内需(個人消費)主導の経済成長への転換を図る姿勢を打ち出している国があることなども賃金の上昇に影響しているとみられます。

実際、中国では、国民経済の中期計画「第12次5ヵ年計画」(2011〜2015年)の中で法定最低賃金を年平均13%増加させることが掲げられていることなどもあり、2012年上半期の法定最低賃金は、16の省市で引き上げられ、平均上昇率が19.7%になりました。

かつての日本でも、国民所得を10年間で倍増させるという「国民所得倍増計画」が1960年に発表され、実施後10年を待たずに所得倍増を成し遂げ、高度経済成長を実現させたという経緯があります。

また、所得水準の向上に伴なう消費の拡大が経済成長を牽引し、現在の日本経済の礎を築いたといわれています。

アジア地域においても、所得水準の向上が、持続的な経済成長を実現させるためには不可欠であり、さらに日本などと比較してまだまだ所得水準が低いことから、今後の所得の伸びが注目されます。

賃金の上昇は、進出する企業にとっては労働コストの上昇など、様々な課題をもたらすものとみられます。

その一方、所得水準が向上することで、潜在的な個人消費需要が喚起され、企業にとっては、収益を拡大させていく大きな機会になると考えられますさらにアジア地域は中国インドなどを中心に30億人を越える人口を抱えているほか、消費意欲が旺盛とされる中間所得層がかなりの規模に増加する見通しであり、アジア地域の消費市場のさらなる拡大が期待されます。

(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。

)(2012年8月16日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。

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