お盆が終わり8月も下旬にさしかかろうとしている今日、旅行シーズンもそろそろ終わりかと思いきや、ここぞとばかりに動き出す人たちがいます。それは、大学生たち。高額なお盆料金の時期を外し、9月末まで続く夏休みを満喫します。

 そんな若者旅行者にオススメな一冊がこちら。異例のベストセラーとなった『原色 日本島図鑑』に続く旅行本、『原色 ニッポン《南の島》大図鑑』です。小笠原から沖縄・波照間まで、114の南の島を紹介している同書。オールカラーで展開しているので、自然の迫力が見事に伝わります。島の魅力といえば、「海」と「食」は外せませんが、本土とは一線を画した文化がそこにはあり、島に行けば、見たことのない日本の姿に触れることができます。

 例えば、沖縄県の八重山諸島にある波照間島では、なかなか手に入らない泡盛があります。「泡波」というこの島で作られる泡盛は、島のなかで消費される分しか生産されません。当然、生産量は少なく、希少価値のある泡盛とされています。また、芳香の美酒ということで誉れ高いこともあって大人気。この泡盛を手に入れるために1週間から1か月も滞在する人がいるのです。

 また、奄美大島は果実や水産物、肉など豊かな食材に恵まれた島です。南の島の代名詞ともいえるパッションフルーツも、この島で採れる時計草の実は、風味が格別に濃厚だそう。また、新鮮な地鶏を刺身で食べる風習もあり、くせのない肉で、甘味・うま味・食感を楽しむことができるのです。地鶏のだしをかけて食べる鶏飯は、お茶漬け風の郷土料理です。

 鹿児島県の下甑島では、珍しい年末の行事「トシドシ」が今も受け継がれています。蓑を身体にまとい、長い鼻で恐ろしい形相をしているトシドシは、首なし馬にまたがり、大晦日に悪い子を懲らしめにやって来るのです。子供のいる家の窓や扉を激しく叩き、震え泣く子供たちに一年のいたずらを反省させ、来年はよい子になることを約束させるのです。最後に、子供たちを四つん這いにさせ、背中に歳餅をのせ親元まで運ばせるのです。秋田のナマハゲに似た、インパクト大の行事です。

 小さな島から大きな島まで、有人無人を問わずに完全網羅したと言える同書は、南の島を訪れる旅行者の頼もしい存在となることでしょう。一つ問題があるとすれば、魅力的な島があまりに多いために、行き先を決めることに悩むといったことでしょうか。



『原色 ニッポン《南の島》大図鑑』
 著者:加藤庸二
 出版社:阪急コミュニケーションズ
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