民主・自民・公明の3党首が、衆院解散時期を「近いうちに」という表現で合意。そのタイミングとしては、9月21に召集される臨時国会になるとの見方が強まっています。

 混乱が続く日本の政治。選挙となっても、具体的な案を持たないイメージ先行の政党が支持を集めるようでは、決められない政治は今後も続くのではないでしょうか。そんなに決められないのならば、一度、コンピューターに政治を任せてみてはどうかと、考えてみたくなるものです。

 コンピューターには人間のように性格的な欠陥がありませんし、利害関係もないので、政治の質を向上させることが可能です。また、国民の幸福のためにどんな政策が効果的なのか、最も良い方法を選択してくれるでしょう。現在、私たちは暮らしの多くの場面でコンピューターを頼っています。多少のミスはありますが、人的ミスに比べると圧倒的に間違いが少ないのがコンピューターの魅力。ここ数十年で私たちの生活が安定した理由に、コンピューターの発達を無視することはできません。政治への導入は私たちが思っているよりも早くに実現するのではないでしょうか。

 しかし、政治へのコンピューター導入については、多少の問題もあります。書籍『100の思考実験』のなかでは、「まったく人間なしですませるのは容易ではない」とされています。その理由は、人間が最終目標をコンピューターに指示しなければならないからです。

 「政治の最終目標は、単純に、できるだけ多くの人を幸せにすればいいというものではない。たとえば、わたしたちは、どれくらいの不平等になら耐える用意があるか、決めなければならない。ある政策に従えば、人々は総体的に幸福になるかもしれないが、国民の5%は惨めな状態のままでいなければならない。それよりは、社会全体の幸福度がわずかに下がっても、惨めな生活を強いられる人が誰もいないほうがいいかもしれない」

 この選択について、答えを出すことができるのは人間だけなのです。また、下記の点も注意しなければなりません。

 「わたしたちの望む結果は、状況に応じて変わることもありえる。たとえば、社会が豊かになれば、必要最低限のものを持たずにいることは、誰にとっても耐えがたくなるかもしれない。また、私たちが豊かになれば、恵まれない国の人たちを助ける義務がある、という思いが強まるかもしれない」

 このような変化にコンピューターは対応できません。それがコンピューターに政治を任せる際の最大の問題点になるのではないでしょうか。むしろ、最終目標をコンピューターに指示しているようでは、コンピューターが政治を行なっているとは言い切れません。やはり、しばらくは人間が政治を行う必要があるようです。

 これまでのように一人ひとりが政治に関心を持ち、選挙に参加し、私たちの意思で世の中を変えることが、最も近道なのかもしれません。



『100の思考実験: あなたはどこまで考えられるか』
 著者:ジュリアン バジーニ
 出版社:紀伊國屋書店
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