週末DIYのススメ〜入門編




「ものづくり」って楽しいですよね! 身近なところでは料理もそのひとつでしょうし、陶芸がブームになったこともありました。なかでも、ものづくりの王道といえるのが日曜大工。そう、Do It Yourself――DIYです。意外と誰にでも簡単に取り組める趣味なのですが、まったくの素人がいきなりはじめるには、ある程度の知識を持つ方からのアドバイスが必要です。そこで今回は、これからDIYをはじめよう(はじめたい)と思っている方に、最低限用意しておいた方がよい道具について、現役大工のHさんに聞きました。



■初心者でもオンリーワンのアイテムを作れる!



お話をうかがったのは、ものづくりの仕事に携わること、20年以上のキャリアを誇るHさん。もともとはサラリーマンをされていましたが、どうしてもものづくりの仕事に就きたいと、ログビルダーに転身。現在は大工さんとして活躍されています。



DIYの範疇はとても広いので、今回は木工にかんする道具に絞っています。Hさんには、素人でも簡単にはじめることができる、木工工作についてのアドバイスをいただきました。



――まずは、ものづくり以前の質問なのですが、まったくのDIY素人でも、簡単なハコなどを作ることは可能ですか?



「ええ。そこそこ器用な人であれば、簡単なハコだけではなく、道具さえ揃えてしまえばかなりのレベルの家具が作れるようになります。たとえば、脱衣所にちょっとした棚が欲しい、なんてときでも、サイズの決まった既成品ではなく、住まいのサイズにピッタリとフィットする、オンリーワンのアイテムが作れるので、一度はじめるとハマる人も多いと思います。僕だって、以前はただのものづくり好きな兄ちゃんでしたからね(笑)」(Hさん)



■道具を揃えよう



――DIYをはじめようと思ったとき、具体的にはどのような道具を揃えればよいのでしょうか?



「木工作ということですので、基本的な流れとして、計る、切る、組み立てる、といった大きく分けて3つの作業になり、それぞれで道具が必要となってきます」



【計る】







「まずは、メジャーとかスケールとか呼ばれるアイテムが必要です。小さなモノであれば、ほとんどの家庭にも1つはあるかと」







「直角の線を正確に書くには、『サシガネ』が便利です。安価で小さなサイズでも構わないので、用意しておくと便利でしょう」



【切る】







「ノコギリは、刃を変えることができるタイプから、木の種類にあわせたモノまで、多種多様な商品があります。基本的に『切る』という作業は同じですので、予算に合わせた品で十分です」



【組み立てる】







「DIYに慣れた方やプロは、インパクトドライバーという高性能な機械でネジを打ち込み、木と木を組み合わせていきます。しかし初心者であれば、トンカチとクギでじゅうぶん。あとは木工用接着剤を使えば、接着力も問題ありません。」



――このような道具はどこに行けば手に入りますか?



「都市部であれば東急ハンズ。郊外であれば、ケーヨーデイツーやカインズホームといった、いわゆるホームセンターですべての道具が揃います。



また、最近は100円ショプでもDIYコーナーを設けている店舗があるので、そちらをチェックするのもいいでしょう。プロでも使い捨て的な道具であれば、100円ショップで購入する方も多いですからね」



――それぞれ、値段はいくらぐらいでしょうか? また、レンタルなどは可能ですか? 道具の手入れについても簡単にご紹介ください。



「値段に関しては多くの品がそうであるように、千差万別です。ちなみにメジャーを例にあげれば、写真で紹介しているプロ仕様品で2,000円ほど。1,000円前後の品であれば、じゅうぶん長持ちするでしょう。もちろん100円ショップで売っている場合もあります。サシガネ、トンカチ、ノコギリでも同じことが言えます。



レンタルに関しては、大きな道具(インパクトドライバーなど)であれば、ホームセンターでレンタルサービスをしていますが、メジャーなどの小物はおそらくしていないかと。ひとつあるとなにかと便利ですので、これを機に購入することをおすすめします。



手入れに関しては、鉄製のものであれば錆び対策が必要です。道具がある程度揃ってきたら、専用のケースを買うことをおすすめしますね」



■年齢・性別を問わず、楽しめる趣味



――道具を使う際の、それぞれの注意事項をお聞かせください。特に危険が伴うであろう、刃物について。



「意外とメジャーで手を切る人って、多いんですよね。伸びきったメジャーを勢いよく戻す際に、メジャーの端でスパっと手を切ってしまうんです。注意してください。トンカチは当たり前ですが、自分の指を叩かないように(笑)。ノコギリに関しても小さな刃がたくさんついている刃物ですから、決して直接、刃の部分に触れないよう、注意してください」



――女性にも、簡単にできますか?



「木を切る際に力任せにノコギリを使っている男性を見かけますが、木を切るコツは力ではありません。大切なのは、木をしっかりと固定すること。両手でノコギリを持つこと。引くときに力を入れるといったテクニックです。女性でもまったく問題ありません」



――最後にDIYの楽しさを教えてください。



「ゼロからなにかを生み出すということですかね。また、作業に没頭している際の緊張感や集中力も心地良く感じます。あと、これは作ってみればわかることですが、自分が決めたサイズで作れる点です。『あそこの空きスペースに、本棚が欲しい』と思っても、既成品ではなかなか合う品は見つからないでしょう。しかし、自分で作ればジャストフィット!



ものづくりというのは、頭と手先の両方を使うので、健康維持という意図からも魅力的だと思います。僕のまわりにも、サラリーマンであれば定年退職という年齢の方がいますが、いまだ若い人と一緒になって元気に働いていますから。そして、そのような高齢の方でも、作業中の表情は、小学生が楽しそうに図画工作の授業に向かっているそれと、近いものがあるんですよね」



取材に応えてくださったHさんの表情が、とても活き活きとされていたこと。また、実年齢よりもはるかに若く見えたことが、とても印象に残っています。おそらく、毎日が充実されているのでしょうね。



敷居が高いと思われがちなDIYですが、手に入れやすい道具だけでもはじめられます。趣味と実益を兼ねられるので、簡単なものからチャレンジしてみては?



(OFFICE-SANGA 杉山忠義)