ビューティアドバイザー約80名と共に、女性のキレイを提案する

WOMAN’S CAREER Vol.91

株式会社アルビオン 中野友紀さん

【活躍する女性社員】14店・約80名のマネジメントを担当するBAマネージャーの中野さん


■お客さま、店舗メンバー…キャリアを積むほど喜びを分かち合う相手が増えていく

「『まずは3年やってみよう』と思っていたら、周りの先輩や上司が楽しく成長させてくださったので、3年たったことにまったく気づかず。その後も何かしら刺激を得ることができ、区切りを感じずに今に至っています」

入社14年目に入ったキャリアを、中野さんはこう振り返る。入社後配属されたのは阪急百貨店うめだ本店(大阪市)のアルビオンコーナー。バックヤードでのサンプルづくりや納品された商品の整理などをしつつ来店客が増える時間帯に店頭に立つという日々で、当初は多くの失敗を重ねたという。
「知識も技術も不十分な上、緊張もあり、ミスというミスはすべてやったと思います。今から考えれば絶対にしてはいけないことでしたが、メイク時にお客さまにケープをしていただかずお客さまの服を汚してしまったり、商品をお渡しする際にお客さまと一緒に中身を確認せずに袋に入れ、入れ間違ったままお渡ししたり…。お客さま以上に先輩や上司にものすごく怒られ、悔しさでいっぱいでした。でも、先輩たちは必ず『次はこうすればいいよ』と具体的にアドバイスしてくださり、それができたときはすごく褒めてくださって。ルールはすべてお客さまのためにあり、ルールを守らないのはお客さまを無視するのと同じだということや、ミスは今後につながるものだということを丁寧に教えてもらったように思います」

経験を積み、自信を持ててきたのは3年目。先輩や上司、顧客から褒められるようになり、チームリーダーも任された。その後は店舗内の全チームと店舗責任者であるセクションチーフをつなぐ役割や、セクションチーフをサポートするサブチーフへとステップアップ。8年目にはセクションチーフとなり、チーフ2年目に社内初のコーナー単独での年間売り上げ10億円を達成。3年目には全国の百貨店の各メーカーのコーナーの中で1位の売り上げを達成した。
「メンバーの一人ひとりが自分の課題を乗り越えるために自主的に考え、行動して100パーセントの力を出してくれた結果だと思います。私がしたことといえば、チーフ2年目からメンバー全員との面談を始めたことくらい。そこで悩みややりにくさを感じている点などを吸い上げ、役割分担や業務フローを整えたことで100パーセントの力を皆が出しやすくなったのかなとは思います。実際に話を聞いてみると『こんなことはチーフに言う話じゃない』と思って自分の中にため込んでいるメンバーもいて、声を聞くことの大切さを実感しました」

一方で、仕事への取り組み方を再認識したのもセクションチーフ時代だった。チーフ3年目に、自身の接客によってマネージャーや支店長、百貨店までを巻き込んだ大きなクレームを受けたのだ。
「長年当社の商品をご愛用してくださり、スキンケア商品の使い方にとてもこだわりのあるお客さまに対して、スキンケアの手順を少し簡略化してお伝えしてしまったのです。本来なら丁寧にご説明するか、簡略化するにしても理由をお伝えするなど、お客さま一人ひとりに合った接客をすべきもの。接客に対する慣れやメンバーの育成ばかりに意識が向いていたことから、お客さま目線での接客ができていませんでした」

中野さんは会っておわびする時間を作ってもらえるようアポイントの電話をかけ続け、約3カ月後にようやく許しを得られたという。
「誠意を持っておわびした結果、お許しいただき、再び来店してくださるように。この経験によって『ビューティアドバイザーの仕事は、お客さまをきれいにして差し上げることだ』という原点に立ち戻ったとともに、チーフは決して偉いわけではなく、お客さまにとってはチーフも新人も関係ないことにも気づきました。店舗責任者だからとどこか肩肘をはっていたり、メンバーの育成を優先に考えてしまっていて、知らず知らずのうちにお客さま目線が薄れていたように思います。私たちの仕事はお客さまあってこその仕事ですから、すべての仕事はお客さまのためであり、現場に立つメンバーほど大切にすべき存在なのだと考えをあらためました。この考えは、マネージャーとなった今、担当店舗のチーフにも伝えています」

その後、13年目の1年間サブマネージャーとして大阪市内の4店舗のマネジメントを担当。そして14年目の2012年に東エリア支店のマネージャーに。東北・関東・東海地方の14店舗を担当することとなり、東京へ。
「まだ着任して5カ月弱な上に担当エリアも店舗数も増えましたので、自分が描いているマネージャーの仕事はできていませんが、メンバー全員がお客さまに喜んでいただける仕事をし、その結果目標を達成できるよう、またメンバー一人ひとりがやりがいを持って仕事を楽しめるようになればと思います。そのために、まずは担当店舗に積極的に入店してメンバー一人ひとりについて知ろうとしています。また、自分が店頭でできるだけ多く接客することで、メンバーにお客さまのキレイを提案していくために必要なスキルを身につけてもらえるようOJTに取り組んでいます」

入社当初は「とりあえず3年」と考えていた中野さん。キャリアアップすることについてこのように話してくれた。
「入社当初からマネージャーを目指していたわけではありませんが、キャリアを積めば積むほど、自分のことへの喜びだけでなく、仕事でかかわる相手が感じる喜び、例えば新入社員が『こんなことができるようになった!』と喜んでいるのを見ると、それが私自身の喜びに感じられるようになってきました。その喜びは、担当店舗やエリアが増え、かかわるメンバーやお客さまが増えれば増えるほど増していくもの。お客さまやメンバーから感じたたくさんの喜びを自分のモチベーションに変え、またメンバーやお客さまに還元していくのがマネージャーという立場なのかなと思います。皆さんにも、ぜひ目指してほしいですね」