感染は「環境から」「ヒトから」「自分から」 -「災害時の感染制御」を報告

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国際衛生機構「グローバル・ハイジーン・カウンシル」(Global Hygiene Council 、以下GHC)は、ニュースレター「災害時の感染制御」を発行した。

2011年3月11日に発生した東日本大震災。

未曾有の地震、そして津波によって、多くの人たちが犠牲となった。

街がヘドロで覆われるなど、周囲の衛生環境が悪化したことに加え、水や電気などのライフラインが断絶。

また、大人数の避難所での生活では、さまざまな原因による感染症が発生した。

同機構のニュースレター第2弾では、「災害時の感染制御」について、GHCのメンバーでもある東北大学の賀来満夫教授による災害時の感染症発生の実態の解説と、「防災の日」に家庭で確認したい感染制御の方法や対策グッズを紹介している。

■「環境から」発生する感染症 津波や地震によるがれきやゴミ、土や水などにより汚染された環境が発生することにより、病原体による感染症が引き起こされる。

傷の化膿(かのう)や、「破傷風」「レジオネラ肺炎」などが疑われる場合には、医療機関への早急な受診が必要となる。

■「ヒトから」発生する感染症 避難所では、多くの人が共同で狭い場所に生活することになり、また感染症への対策が実施できない場合も多いため、「インフルエンザ」や「感染性胃腸炎(ノロウイルス)」、「麻疹(ましん)」など伝播性の高い感染症が起こりやすくなる。

■「自分から」発生する感染症 避難所では、食べ物や水などの配給が滞ることによる栄養状態の悪化や、寒さなどによる体力の低下、また口腔(こうくう)ケアが十分でないことなどにより、免疫機能低下や嚥下障害などを引き起こし、「誤嚥性肺炎」や「二次性の細菌性肺炎」、膀胱炎などの「尿路感染症」が発生した。

9月1日の「防災の日」には、防災グッズの確認や準備を行う人も多いはず。

GHCでは、感染制御の観点から、防災グッズの中に「感染症対策の三種の神器」を加えておくことを提言している。

1.「ウェットティッシュ/アルコール手指消毒液」 感染症を防ぐためには、なによりも手や身体を清潔に保つことが重要。

特に、抵抗力の弱い小さな子どもや高齢者のいる家庭では、忘れずに準備したい。

2.「マスク」 感染症にうつらないため、また周りにうつさないためにも、少なくとも1週間分のマスクの準備を。

3.「マウスウォッシュ」 災害時には口腔内を清潔に保つ手段がない。

「誤嚥性肺炎」を防ぐため、口をすすぐものの用意を。

また、災害が起こってしまった際には、以下の「感染予防のための8カ条」の実行を。

<可能な限り守りたいこと> (1)食事は可能な限り加熱したものを摂(と)るようにしよう (2)安心して飲める水だけを飲料とし、きれいなコップで飲もう (3)ごはんの前、トイレの後には手を洗おう(水やアルコール手指消毒液で手洗いを) (4)嘔吐(おうと)・下痢などの汚物やおむつは所定の場所に捨て、よく手洗いを <症状があるときは> (5)咳(せき)が出るときは、周りに飛ばさないように口をおおう(マスクがあるときにはマスクの装着を) (6)熱っぽい、のどが痛い、咳(せき)、けが、嘔吐(おうと)、下痢などがあるとき、特に周りに同じような症状が増えているときには、かかりつけの医師または保険師、避難所では代表者に相談を (7)熱や咳(せき)が出ている人、介護する人はなるべくマスクを (8)咳(せき)がひどい、黄色い痰(たん)が多くなっている、息苦しい、呼吸が荒い、ぐったりしている、顔色が悪いなどの症状がある場合には、肺炎の可能性が。

早めに医師に相談を