ロンドン五輪の閉会式が日本時間で2012年8月12日朝行われた。世界的な大物歌手が次々と登場する感動的なセレモニーだったのだが、生中継していたNHKの解説に対し「歌の邪魔をするな」などと批判の声が出ている。

閉会式は5時からスタート。当初の2時間の枠をオーバーして、3時間以上にわたってNHK総合で生中継された。

歌手が歌っているのに五輪を振り返り始める

ポール・マッカートニーさんが「ヘイ・ジュード」を歌うなど、開会式もかなり豪華なものだったが、閉会式にも、ザ・フーやクイーン、ジョージ・マイケルさんら英国を代表するスーパースターが大勢出演した。

前半部分では、アナウンサーがステージの状況を説明しながら「マッドネスです。1980年代から活躍しているイギリスのロックバンドです」などと歌手を紹介。歌がメインという感じだ。

しかし、選手団が入場して、カメラが日本や各国の選手を映し出すようになると、ステージで歌手が歌っている中、「このショーはもうしばらく続くんですけど、選手たちの言葉でオリンピックを振り返っていきます」「世界のスーパースターといえばやっぱりジャマイカのウサイン・ボルト選手じゃないでしょうか」と五輪について話し出した。

シンガー・ソングライターのエド・シーランさんと、ピンクフロイドのドラマー、ニック・メイスンさんが、ピンクフロイドの名曲「Wish You Were Here(あなたがここにいてほしい)」を演奏しているのに、解説の五輪思い出語りでよく聴こえない。その後、世界的人気歌手が次々と出てきても、解説が歌に被さるシーンが何度かあった。

「ピーター・バラカンに解説して欲しかった」

視聴者の中には音楽を楽しみにしていた人も結構いたようで、ツイッターには「イギリスって国がどんだけ、音楽を大事にしているのか気づけよ」「解説うるさすぎ。歌ってるときくらい黙っとけ」「せっかくの音楽がきこえないよ。雰囲気ぶち壊しだよ」といった呟きがたくさん出た。「アナウンサー黙れ」というハッシュタグまで登場した。

また中継では、ロックバンド、Museがオリンピック公式ソングを歌っているのに解説で言及がなかったほか、コメディ・グループ、モンティ・パイソンのエリック・アイドルさんが出てきても、ただ「アーティスト」と紹介されて終わりだった。こうした点についても「英国文化の予習が足りない」といった声もあった。

「あなたがここにいてほしい」をもじって「あなたが実況席にいてほしい」とし、音楽評論家の小林克也さんやピーター・バラカンさんに解説をして欲しかった、という書き込みもある。

ただ、NHK広報によると、閉会式の解説に関して、視聴者からは特に問い合わせの電話等はなかったという。

ツイッターなどでは「田舎のおじいちゃんおばあちゃんにも分かるようにやってるんだから、しょうがないだろう。第一義ではロックファンのための中継ではない」「せっかく地デジになったんだから解説なしの現地音声も選択できるようにすればよかったのに」という見方もあった。

(追記)その後、8月15日にNHKから「解説についていくつか視聴者から批判の声をいただいております」との連絡があった。