「ピーク時には店内に人が入りきらないので、すぐ横にイートイン専用の店舗も設けています」と野崎さん。

お邪魔したのは昼を少し回ったばかりだったのだが、既に店頭に並べられた持ち帰り寿司も残り少なくなっていることから、人気の高さが伺い知れた。

店を後にしたところで、パン屋に入ろうとしている小さなお子さん連れの女性を発見。

話しかけてみたところ、市内からいらしたとのこと。

こちらのパン屋「てづくりKOBOあおぞら」の天然酵母を使って作られたパンがお気に入りなのだとか。

オーナーの采田美奈子さんにお話を伺ってみた。

「もともとパンが好きで、いつか自分の店を持ちたいと思っていたのですが、その念願がかなって2009年3月にオープンしました」。

采田さん自身が食べたいと思えるものを作ることをモットーとしているそうで、自家製のレーズン酵母を使用した天然酵母パンや、一晩かけてじっくり発酵させたフランスパンなどは、どれも安心・安全でやさしい味。

「うちのパンや焼き菓子には、保存料等は一切使用していません。

それと、自宅で採れた野菜や、市場で仕入れた旬野菜・果物を使うことにもこだわっています」。

また、小麦は国産のものを使用。

塩は沖縄産、砂糖はビートグラニュー糖またはブラウンシュガーを用い、体への優しさを徹底的に追求している。

パンの種類は約40種類(130円〜)そろい、どれにしようかと選ぶのも楽しいのだ。

さて、そうこうしているうちに閉店時間が近づいてきた。

朝早くオープンして昼過ぎには閉まるというのが、市場にある商店街らしいではないか。

でも、まだ後1軒くらいは訪れたい!! というわけで、通り中央に設置された休憩所で休んでいるサラリーマン風の男性に声をかけてみたところ、場内の事務所で働いている方だそうで、「おいしい店を探してんのね? だったら“ぶっかけ山ちゃん”に行ってみるといいよ」と教えてくれた。

この店は、場内で2008年8月から営業しているヨード卵を使った玉子焼きのお店「やまぎわ」の姉妹店だそうで、場内にあるやまぎわ鶏卵がオーナーを務めているんだそう。

同社代表取締役の山崎修司さんにお話を伺ったところ、「鶏卵の卸をしているうち、一般の人にも、もっと本当においしい卵を味わってもらいたいという思いが強くなり、昨年3月にオープンしました」とのこと。

鹿児島産の“ちらん赤玉”をはじめ、薩摩赤玉、しんたまご、みかん卵という厳選した4種類の卵からお気に入りを選んで食べられる「たまごかけご飯」(300円)や、新鮮な卵で作る「親子丼」(400円)など、驚くほどリーゾナブルな値段で、本当においしい卵を堪能できるメニューがそろっている。

目移りしながらも親子丼を注文してみたところ、舌が肥えた市場職員にもファンが多いというのも納得の味。

濃厚な卵が口の中いっぱいに広がる幸せをこの値段で味わえるなんて!! ここまで弾力感たっぷりの卵は栄養価も高いに違いないし、400円でなんだか得した気分♪ ちなみに「たまごかけご飯」は、たまご1個とご飯、みそ汁、おしんこ、たまご豆腐というセット内容。

また、おかわりしたい時はプラス50円でご飯と卵とみそ汁をいただくことができる。

さらに第2土曜日には、ご飯を注文した人は唐揚げが無料で食べ放題というサービスも行っているそうで、毎月この日は店の前に行列ができるのだそう。

「ふくふく通り」にはその他、文房具店や花屋、肉屋などが多数並び、値段はどこも格安だ。

ただし、売り切れるが早いので、生鮮品を狙うなら早めの時間を狙って。

■食堂 備前5:00〜14:00水曜定休、日・祝不定休■味の匠 大名庵6:00〜16:00(持ち帰り)、11:00〜14:00(イートイン)無休■てづくりKOBOあおぞら7:00〜15:00水曜定休■ぶっかけ 山ちゃん平日:6:00〜15:00土曜・日曜・祝日:9:00〜14:00水曜定休

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