その方がTOEICでも役立ちますし、実際に英語を使う際も役立ちます。

文法に関しては、中学英語レベルでTOEICのPart 5、6に出題される文法問題の9割以上はカバーできます。

ただ、400点台の人には中学校で習う英語がきちんと身についていない場合が多いです。

中学英語に不安がある人は『中学校3年間の英語を10時間でやり直す本』などを使って、中学英語がマスターできているか確認してみてください。

昔、高校や大学の受験などで一生懸命勉強した経験のある方は、そういったことは必要ないでしょう。

TOEICの問題をやれば昔の感覚を呼び起こせるはずです。

単語学習とは違い、文法はまとまった時間を設けて一気に勉強するの可能です。

――リスニングではレベルを問わず、「とにかく声に出すこと」を推奨されているそうですね。

とにかく英語を聞いて、声に出してください。

使う素材は何でもかまいませんがTOEICを目指して学習を進めているのであればTOEICの教材を音読の素材に使うのがよいでしょう。

例えば、『公式問題集』の模擬問題を解いて、答え合わせをした後、音声CDを使って音の練習ができます。

Part 1、2は文が短いので、聞いて繰り返すListen & Repeatの練習に適しています。

聞こえた通りまねして声に出す練習を重ねることで英語の音のパターンを体に染み込ませることができます。

英語の音のパターンがマスターできるとリスニングがしやすくなります。

Part 3の会話とPart 4のトークは、暗唱の練習に使ってください。

問題を解いて答え合わせをしたら、まず知らない語句や文法のチェックをして意味が理解できている状態にしてください。

そして一文ずつListen & Repeatをして音を正確に出せるか確認してください。

そうしたら同じ会話・トークを10回、20回、30回と繰り返して音と一緒に丸ごと覚えてください。

この練習には利点がいろいろあります。

まず、TOEICのPart 3,4で出題される会話・トークはパターンが決まってきます。

『公式問題集』中の会話・トークをたくさん覚えていると、本番で似たような会話・トークに当たる可能性が高くなります。

自分が暗唱したものを同じような会話・トークは聞いて理解するのが容易です。

20〜40くらい暗唱しているとかなり有利になります。

また、会話・トークを暗唱して英語のデータベースが頭の中に出来ると、実際に英語を使う際にも役立ちます。

特にPart 3の会話は英語圏で暮らして仕事をする人が遭遇するであろう場面設定でのものがほとんどですのでそこで使われている言い回しなど、覚えておくと実用的です。

さらに会話・トークを丸ごと覚えることで『英語の回路』ができてきます。

暗唱している会話・トークは意味が分かっている英語なのでいちいち日本語に訳さなくても意味が取れます。

英語を英語のままで理解できるのです。

そのような会話・トークが増えることで英語の感覚が身に付き、『英語の回路』が徐々にできてきます。

それに合わせて総合的な英語力も伸びていくでしょう。

――本番で約700点前後をマークし、さらなるスコアアップを目指す人にはどんな勉強がお勧めですか。

一口に700点と言っても、そのスコアをどのように取ったかによって以後の勉強方法も違ってきます。

例えばあまり勉強をせず、最初に受けた試験でそれくらいの点数が取れた方は、『公式問題集』をやって試験形式や問題の問われるポイントに慣れるだけで900点台に届くかもしれません。

逆に、必死にTOEIC対策をした末にやっと700点が取れたという方は、もうTOEICの問題形式や問題パターンは熟知しているので、模擬問題を解いても大幅なスコアアップは見込めません。