経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊 (22) 「最後のバブル」の後は世界恐慌? 岩本沙弓氏が語る”世界経済の真実”(後編)

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経済キャスターの鈴木ともみです。

今回は、前回に続く、連載コラム『経済キャスター・鈴木ともみが惚れた珠玉の一冊』夏の特別企画・スペシャル対談の第ニ弾/後編です。

対談のゲストは『世界恐慌への序章 最後のバブルがやってくる〜それでも日本が生き残る理由〜』の著者・大阪経済大学 経営学部 客員教授の岩本沙弓さんです。

同書は多くの読者の共感を得ており、すでに4刷のベストセラーとなっています。

公式データを基にしたファンダメンタルズ分析やテクニカル分析に加え、第三の分析・裏取り&裏読みを駆使した岩本さんならではの鋭い洞察。

その奥深い分析力にあふれた内容は、私たちの知識欲を満たしてくれると同時に、心をも動かしてくれます。

今回は、同書の『隠れテーマ』も探りつつ、できる限り真実を浮かび上がらせる対談を目指しました。

鈴木 : 前編でお話いただいた『日本破綻論』『円高悪玉論』といった私たちにとっては当たり前の解釈となっている考え方が、実は「巧妙なプロパガンダのもとに成り立っている」その事実を知らされないのは恐ろしいことですね。

岩本 : そうなのです。

特に『円高=悪』の考え方は、あらゆる事実を覆う隠れ蓑になっていますから、経済も金融マーケットもゆがめられてしまいます。

鈴木 : いきなり核心に触れてしまいますが、具体的に何をするため、何を守るために『円高=悪』のプロパガンダが必要なのでしょうか。

岩本 : 端的に言えば、いつでも必要な時に、ドル買い円売りの為替介入をしたいため…ということになるのかもしれません。

鈴木 : 橋本元首相のコロンビア大学でのコメントについては、頭サビで会話をしたがる欧米人と、起承転結で話を進めようとする日本人との差がはっきり出ましたね(笑)。

当時は、日本のマスコミも、米国メディアが発信した情報をそのままのニュアンスで伝えました。

こういった要人発言をつぶさに検証するスタイルは、いかにも岩本さんらしいです。

橋本元首相の実際の行動の裏に隠れている本音と建前が見えてきますよね。

岩本 : 結論を言ってしまえば、日本が米国債を買ってあげる事で、米国の借金を穴埋めしてあげてるわけです。

当時の日米構造協議のなかで、橋本元首相はこんな記録を残しています。

それは「米国がドルの価値維持に関心がないならば、こちらも交渉手段の一つとして日本が保有する米国債を売ってもいいのですよ」と言いたくもなったということ。

ドル安のなかで、日本がドル買い介入をし、米国債を購入する。

その後為替が円高になると、米国は自国の借金を目減りさせることができるのです。

鈴木 : 『円高=悪』のプロパガンダを信じると、日本のドル買い円売りの為替介入がある度に、為替のトレンドが変わるのではないか、株式相場が好転するのではないか…などと期待を寄せてしまいがちですが、それではなかなか収益が上がらないままの状態になりますね。

岩本 : そうなのです。

やはり冷静な判断が必要で、仮に自分が少数派だったとしても、思い込みを捨て、相場をニュートラルに見極めることが大切です。

プロパガンダ抜きの本当の相場の姿を知ることが、収益を上げるための第一歩と言えます。

鈴木 : その上で、この本のメインタイトル『世界恐慌への序章 最後のバブルがやってくる それでも日本が生き残る理由』というお話が活きてくるわけです。

同書は、プロパガンダ抜きで、これからの相場の姿を見通していきましょう! という内容です。

ズバリ、今年から2016年にかけて米国主導のバブルになるとの分析ですね。

岩本 : はい。

量的緩和策による過剰流動性のなかで、バブルが生まれます。