これが「一筆書きテーブル」。まさに一筆書きだ。

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今まで、コネタで数々のカフェを取材してきた。“ギャルと出会えるカフェ”、“手話と書記でやりとりするカフェ”、“占いをしてもらえるカフェ”などなど……。
今や、くつろぐだけじゃない。その空間だからこそ体験できる特徴が、カフェには備わっているのだ。

そして、このカフェが今話題。6月15日、渋谷にオープンしたのは“文房具を満喫するカフェ”、その名も「文房具カフェ」である。
文房具屋さんって、妙に長居したくなりません? 買う買わないは別問題。ズラリと並んだ多くの文房具を見てるだけで、ワクワクする。手に取って、紙に書いて、私はもう絶頂寸前。あの至福の空間が、カフェとなった。これは、行くしかないでしょう!

……というわけで、「文房具カフェ」に遊びに来ました! 店内には憩いの場として小休止に来る人もいれば、いわゆるノマドの人たちも多く見受けられる。
ところで、このようなカフェをオープンしたきっかけは?
「カフェに行き、手帳やスケッチブックなどを広げて作業をする……というのは、日常でよくある風景だと思うんです。そこで、親和性の高い『カフェ』と『文房具』を組み合わせた店舗を展開しようと思い付きました」(担当者)

では、どのように組み合わさっているのか。店内には様々な仕掛けが施されているので、それを一つ一つ見ていこう。
まず、今私が着いているテーブル。なんか、妙に独特な形をしているのだが……。
「これは店長がスケッチブックに一筆書きで色々な線を描いて、その中で面白そうなものをデザイナーに渡しできたテーブルなんです」(担当者)
要するに、一筆書きの線をそのままテーブルにしてしまった(通称「一筆書きテーブル」)。ちょうど、横に座っている人の文房具のメーカーなどがわかる距離感と角度になっているという。お客さん同士でシンパシーを感じ合い、“文房具仲間”になれたら最高だ。

そして、その奥には図書コーナーが。ここには、文房具にまつわる本、雑誌が所狭しと揃えられているという。
しかし、よく見るとレアものもあるな……。例えば、シャープペンシル工業会が出版した『シャープペンシルのあゆみ』なる一冊は、業界外の人間じゃナカナカお目に掛かれないはずだ。他にも、文房具メーカー「呉竹」や「ニチバン」の社史や、主人公が赤ペンだったり分度器だったりする筒井康隆氏の小説など、「文房具にまつわる本だったら、何でも!」といったノリで、様々な書籍が集められたようだ。

また、時間を忘れて見入ってしまうのが物販スペース。ここでは、レアものやデザイン的に優れたもの、大人になったら触れる機会がなくなってしまうような文房具が陳列されている。
そして私の目にパッと入ったのは、『サクラクーピーペンシル』。12色のカラー鉛筆なのだが、これが思わずグッと来てしまう。文房具の良さを、懐かしの一品が再確認させてくれた。他にも、ザリガニワークスの『コレジャナイロボ』とコラボした『コレジャナイノート』や、握り心地は鉛筆だけど実は2ミリの芯が入っているシャープペンシル、花占いのようにちぎっては挟む花びら型の付箋など、秀品・珍品を満喫することができる。個人的に、シャーペンは購入させていただきました!

そしてカフェの奥に進むと、そこは個別のテーブルスペースになっているよう。
「ここのテーブルのサイズは1:√2という比率になっているんですが、A4やB5の紙と同じ形なんです」(担当者)
この比率は古くから「白銀比」と呼ばれており、日本人が気持ち良いと感じる黄金比だという。また、奥の壁はホワイトボード加工が施されており、スタッフが直接マジックでメニューを書き込むウォールになっているようだ。
「このスペースは、“紙のような空間”をイメージして設計いたしました。空間全体で紙を表現しております」(担当者)
言われてみれば、壁には和紙のような紋様が入っているな。「この文房具空間で、創作意欲を高めてくれれば……」という狙いだそうだ。

また、同カフェには会員(入会費700円)専用の裏システムも存在するという。まず入会すると、そこで会員専用の鍵を受け取ることができる。これは、前述の白銀比テーブルの引き出し用キー。開けると、中には文房具や会員しかオーダーできない裏メニュー、そして一冊のスケッチブックが収まっていた。
「スケッチブックの冒頭には『のり』、『消しゴム』などのお題が記されております。お客様にはそれらに従って文房具の絵を描いてもらい、楽しんでいただきます」(担当者)
変に写実的だったり、妙に味のある絵が描かれているから、見ているだけでも楽しい。みんなの文房具に対する想いが浮き彫りになっております! ちなみに会員になると、毎回の飲食代が10%オフになる模様。

小さなころから現在に至るまで、文房具にはお世話になりっぱなし。もう魅力は知り尽くしていたと思っていた。……が、文房具の魅力は底なし沼。このカフェで新境地を開拓しつつ、どっぷりとハマってしまいました!
(寺西ジャジューカ)