ロンドンオリンピックの前夜を迎えました(※)。この先2週間にわたり、英国代表の選手全員が厳しいトレーニングの向こうにあるオリンピックの夢を実現してくれるよう、私たちは精一杯応援する予定です。


しかし、オリンピックの勝者は彼らだけではありません。私は飢餓によって成長障害に苦しんでいる1億8,000万人の子供たちにもスポットライトが当たることを願っています。

成長障害は生まれてから1,000日間の間に栄養を正しく補給できなかった場合に発生する障害で、何百万人もの子供たちにそうなる可能性があります。成長障害によって精神的、そして肉体的な成長が阻まれ、それが原因となって彼らは本来の姿になれず、自分たちの夢を叶えることが不可能になってしまいます。この障害は一度かかってしまうと、治療することができません。

飢餓に苦しむ子供たちの姿は、皆さんもテレビ画面で見たことがあるかと思います。胸が痛む映像です。私は4年前にユニセフ(UNICEF、国連児童基金)と一緒にシエラレオネを訪れ、彼らの姿を目の当たりにしました。栄養失調の子供たちの顔は、本当に弱々しく細いものでした。あの姿を私は一生忘れないでしょう。

父親でもある私は、あのように苦しむ子供を持つ親の気持ちを考えると胸が痛みます。しかし、これが何年にもわたって飢餓が続いている東西アフリカで、何百万人もの子供たちが置かれている現実なのです。彼らの未来は暗く閉ざされています。

私はユニセフ親善大使を7年間務めていますが、子供たちの命を守ろうとするユニセフの仕事を非常に誇りに思っています。ユニセフはリーダー的存在として、貧しい国々に住む子供たちの食事の栄養価を高めることで、子供たち、そしてその家族の健康維持に協力しています。

これは単体でできることではありません。成長障害という問題は非常に大きく厄介なのです。しかし、政府が自分たちの役割を果たしてくれれば解決できる問題です。

そこで今日、私はデーヴィッド・キャメロン首相のもとを訪れ、協力を申し出ました。彼のリーダーシップで、苦しむ子供たちの数を減らす努力を続けてくれるよう頼んだのです。子供たちの飢餓や成長障害への取り組みを、政府の最優先課題の1つとして継続的に扱ってくれるようにお願いしました。

今回の行動は私の単独行動ではありません。キャメロン首相に渡した手紙には、世界中の50人のユニセフ親善大使、そして世界中のスポーツやエンターテインメント界からの賛同者が署名してくれています。ユアン・マクレガー、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、リーアム・ニーソン、ロビー・ウィリアムス、クラウディア・シファー、ウーピー・ゴールドバーグなど、多くの人々が子供たちのために立ち上がっています。

そして、私は是非、皆さんにも参加して欲しいと思っています。

オリンピックは自己ベストを狙い、自分たちの可能性を最大限に伸ばすためのものです。今回のオリンピックで、全ての子供たちもそうできるような環境にしていきましょう。www.unicef.org.uk/hungerで是非署名してください。

※このブログはロンドンオリンピック開幕前日の7月26日に書かれたものです

(原文:Make Children the Real Winners of London 2012 )
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デヴィッド・ベッカム
ユニセフ親善大使