日本人が活躍しない競技の放送もなかなか味わい深い。

クレー射撃のトラップは、15m先の放出機から左右にランダムに放出される皿を散弾銃に分類される専用の銃で撃つ競技だ。25枚ずつの皿を打ってその枚数を競う。

皿を放出するタイミングは、自分の声だ。「はっ」という声をマイクが拾って、皿を放出する。

予選3ラウンド、75枚。決勝25枚。オリンピックの舞台で合計100枚の皿を打つのだが、昨日、女子で凄い世界新記録が出た。

イタリアのジェシカ・ロッシは、予選の75枚をオールクリア、そして決勝の25枚中24枚を当てたのだ。つまり100枚中99枚。

ロッシは、細身の優しそうな表情の女性だが、上下左右に放出される皿を次々と打ち抜いた。皿にはピンク色のパウダーが仕込んであり、的中すると鮮やかなピンク色の雲がたなびく。見ていても爽快だ。

日本の中山由起枝は、北京で4位だったが予選で敗退(75枚中65枚的中)。銀メダルのステフェツェコバでさえも93枚だから、ロッシのすごさが解る。

この競技も金がかかる。お金持ちがやる競技だ。1976年は35歳の麻生太郎がモントリオール五輪のクレー射撃代表で出場。41位タイに終わっている。

日本クレー射撃協会の会長は、その麻生太郎。解説に出てこないかなと思ったが、笹田矩史常務理事が担当した。

ずいぶんな年配のようで、およそスポーツ解説とは思えない。

アナ「皿は選手の声で放出されるんですね」

笹田「さようでございます」

笹田「ロッシ選手は、すばらしゅうございました」

今日の男子も見よう!