鉄道トリビア (161) 山手線&大阪環状線「内回り・外回り」よりわかりやすい呼び方はある?

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JR東日本の山手線、JR西日本の大阪環状線といえば、ぐるっとひと回りする運行形態で知られている。

名古屋市営地下鉄名城線も環状運転を実施中。

千葉県浦安市のディズニーリゾートラインや富山県富山市のセントラムも、一方通行の環状運転となっている。

都営大江戸線も環状の路線だけど、電車はぐるぐる回らず都庁前駅で折り返す。

神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)の環状運転系統や千葉県の山万ユーカリが丘線は、環状区間を通って始発駅に戻る運行形態だ。

ちょっと変わったところでは、ニューシャトルは大宮駅周辺が環状構造になっている。

このような環状運転は都市のバスに多く見られ、鉄道では少ない。

とはいえ、終端駅だけのニューシャトルを除いても、鉄道の環状運転は全国に9カ所あり、山手線や大阪環状線だけかと思っていると意外に多い。

ところで、環状路線の話をするときに、運転方向を間違えた経験はないだろうか? 「山手線外回りは車両点検で遅れています」という案内があったとき、「外回りってどっちだっけ? 新宿から池袋へ行くほう? それとも渋谷?」といった具合に。

じつは筆者も山手線の運転方向をよく間違える。

日常生活やプライベートな会話で間違えるくらいなら笑って済まされるけれど、たまに記事でも間違えて、読者からご指摘をいただいた経験もあった……。

でも筆者は方向音痴ではないと思うし、山手線の利用者でも間違える人は多いはず。

そもそも「外回り」と聞いて、「電車は左側通行だから、左回りが内回りで、その反対が外回りだな」と頭の中で何度も変換しなければならないから、やっぱりわかりにくい。

環状運転の路線は、他の路線のように「上り」「下り」という呼び方を使えない。

調べてみると、「内回り」「外回り」という案内方式は山手線・大阪環状線などに限られるようだ。

たしかに間違えやすいけれど、首都高速環状線も「内回り」「外回り」だし、これが一般的な表現とも考えられる。

一方、ディズニーリゾートラインやセントラム、山万ユーカリが丘線、ポートライナーの環状運転系統などは一方通行だから間違えようがない。

都営大江戸線、名古屋市営地下鉄名城線、伊予鉄道の市内電車はまた異なる案内方法である。

都営大江戸線の場合、公式サイトの路線データを見ると「内回り」「外回り」を使っているけれど、旅客案内上は途中の主要駅を表示し、「●●方面」と表現する。

門前仲町駅なら「大門・六本木方面」「両国・春日方面」といった具合だ。

これなら行きたい駅の方向で判別できる。

案内されない駅へ行く場合には迷ってしまうかもしれないが……。

名古屋市営地下鉄名城線は「右回り」「左回り」を使っている。

これはわかりやすい表現だと思う。

名古屋市交通局によると、「東京や大阪の『内回り』『外回り』は高速道路や高架鉄道で景色もあり、位置関係がわかりやすい。

これに対して名城線は全線地下のため、『右回り』『左回り』のほうがイメージしやすいと考えた」とのこと。

もともと名古屋市のバスの環状路線が「右回り」「左回り」を採用しており、名古屋市民にとってなじみやすい点も考慮したという。

なぜバスが「右回り」「左回り」となったかは、昔のことなのではっきりしないようだ。

「右回り」「左回り」は外国人にもわかりやすいというメリットがある。

日本のように列車が左側通行ではなく、右側通行の国もあるため、「内回り」「外回り」では列車の運転方向が逆になってしまうからだ。

「時計回り」「反時計回り」のほうがもっとわかりやすいけれど、あまり使われないのは「反」という否定語を嫌ったからかもしれない。

伊予鉄道の市内電車の環状線では、時計回り(松山市駅からJR松山駅前方面)が「1番」、反時計回り(松山市駅から大街道方面)が「2番」で、あたかも別の運行系統のように使い分けている。

これもわかりやすい表現といえるだろう。



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