北朝鮮の労働新聞は1日、「幼稚な言葉の遊び」と題した短評で、野田佳彦首相がフジテレビの番組で7月16日、大津市立中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺したとされる問題に関連して、再発防止を呼び掛けるメッセージを述べたことを取り上げ、論じた。

 同紙は、相次ぐ青少年のいじめによる自殺問題で頭を痛める日本の野田首相は、最近になってそのことに関連したメッセージを述べたが、その姿は見苦しいものだったと批判した。

 子どものための放送に出演した野田首相は「あなたは独りではない。守ろうとする人は必ずいる」と述べた。この言葉は、結局は子どもたちの考えが狭く、そのために自殺の道を選ぶということであると指摘。童心は純真で天真爛漫(てんしんらんまん)であり、単純なことは事実だ。だから子どもたちに切実に必要なものは愛情であり、暖かい手助けだ。だが、資本主義の日本にそれがあるのかと疑問を投げかけた。

 日本は年間4万件以上に達する児童虐待行為で、数多くの子どもたちが生死の境をさまよう。また、へその緒を切ったばかりのわが子をごみ箱にためらいなく捨てたり、苦痛の中にもがく幼い子どもらを見て動物的快楽を味わったりする変態的な人間がうようよする国だと強調。

 日本政府は子どもたちを保護するどころか、国内で米軍に幼い少女の成長が無残に蹂躙(じゅうりん)されても一言も追及できない。個人主義と弱肉強食の生存法則が、空気のように支配する乱れた社会に投げ込まれた子どもたちが、果たして誰を信じ、誰に頼ることができるのだろうかと問いかけた。

 いつも落ち込んだ気分で、人生において不幸と苦痛だけを体験する子どもたちは、蛇の世界に放り込まれたカエルの境遇と変わらないと例えた。それにもかかわらず、日本の執権者は言葉で戯れており、これは自殺大国の過ちを遮るための詭弁であり、童心に対する愚弄だと批判した。

 深刻な虐待と無関心の中で、日本の子どもたちは咲き誇る前につぼみのままで枯れてしまうとして、亡くなったあとの魂までみじめな現実は、日本の暗たんたる未来を映していると結んだ。(編集担当:李信恵・田口宏)