大阪府内科医会会長に聞く。かかりつけ医って何ですか?




最近、「かかりつけ医」という言葉をよく耳にします。何やら「気楽に行けそうな近くの診療所」という響きですが、「意外にどういう存在か知られていない」と言うのは、大阪府内科医会(大阪府下の内科診療所の医師が集まる団体)会長で、糖尿病専門医の福田正博(ふくだ・まさひろ)先生。医療の連携システムなども含め、詳しいお話を伺いました。



■かかりつけ医の紹介だと、大病院での検査や入院の予約が早い



――「かかりつけ医」とは、何をする医師なのでしょうか。



福田先生 「大病院志向」と言って、どんな病気でも大きな病院の方が安心だという風潮があります。しかし大病院では、「待ち時間があまりに長い」、「いつの間にか担当の医師が変わっていた」、「3時間待って診察は3分だ」などのデメリットも少なくありません。



また大病院とは、より重症の、より専門的な治療を必要とする入院患者さんに対応することが本来の役割ですが、軽症の外来患者さんが多いと業務に支障をきたします。



それをできるだけ解消しようと、現在は国の施策で医療機関の機能分担が進み、「病院は入院診療を受け持ち、外来の診療は診療所が受け持つ。その上で、病院と診療所が連携してネットワークを整える」というシステムができつつあります。



日ごろは近所のかかりつけ医で健康の管理をしてもらい、検査や入院が必要なときは、どの科の専門医に受診するのがよいのか、どの専門病院、総合病院が良いのかが相談でき、紹介してもらえるというわけです。

病院での検査や入院が終了すれば、またかかりつけ医で診療や薬の処方、管理を行います。



――それは便利ですね。何かがあれば、まずは、かかりつけ医に駆け込むことによるメリットはたくさんありそうです。



福田先生 風邪をひいて熱がある、じんましんが出た、胃の不調が続く、不眠症かも? ねんざをしたなど、いろいろな体調不良のときにまず相談できるのがかかりつけ医だと考えてください。



それに、街の開業医であるかかりつけ医は、待ち時間が少ない、医師とのコミュニケーションが成り立ちやすい、過去のいろいろな症状を把握されているなど、患者さんにとって安心、便利な点は多いでしょう。



入院や検査が必要となった場合でも、かかりつけ医からの紹介で大きな病院へ行くほうが、その病院に直接行くよりも早く予約が入る、待ち時間が少ないということも多いようです。



これはよく不思議に思われますが、「医療連携システム」上、連携している診療所からの紹介の場合は、予約の枠が別に設定してあり、通常より早くなることが多いのです。



――かかりつけ医の上手な探し方を教えてください。



福田先生 家族や近所、周囲の人が通っている診療所の評判を聞く、いわゆる口コミ情報で探されるのが一番手軽でよいでしょう。



しかし注意点が一つ、やはり医師と患者さんにも相性というものがありますので、その点は一度訪れてみて、ご自分で確かめることが大切です。

病気でないとき、例えばインフルエンザの予防注射や健康診断などで受診してみるというのもいいでしょう。



ポイントは、その医師が自分にとって話しやすいこと、話を聞いてくれること、丁寧に説明してくれることでしょう。ただし、にこにこと優しいだけでは不十分です。

医師は患者さんのためにならないときは厳しく指導しないといけないこともあります。

ご自分の健康にとって、本質的に良いアドバイスをくれる医師かどうかが重要でしょう。



一方で、かかりつけ医が何でもできるスーパードクターである必要はありません。それよりも、健康管理について何でも相談に乗ってくれる、守備範囲以外の症状を発見した場合はすぐに適切な専門機関を紹介してくれる医師が理想です。



また、大阪府内科医会では、会が市民の皆さまに推薦できる医師を認定する「大阪府内科医会推薦医」の制度を独自に設けていて、ホームページに一覧を掲載しています。そういう活動をしている地域もあると思いますので、インターネットなどを活用し、積極的に情報を探してください。



――ありがとうございました。



体調が悪いなと思ったときは家族や友人に相談しますが、その延長で、健康管理や薬について専門的な相談をすることができる、いざ病気というときに頼りになるのがかかりつけ医のようです。早速探してみてはいかがでしょうか。







監修:福田正博氏。大阪府内科医会会長。医学博士。糖尿病専門医。ふくだ内科クリニック(大阪市淀川区)院長。名医として数々のメディアで紹介され、著書に『糖尿病は「腹やせ」で治せ!』(アスキー新書)、『専門医が教える 糖尿病ウォーキング!』(扶桑社新書)、『専門医が教える5つの法則 「腹やせ」が糖尿病に効く!』(マガジンハウス)、最新刊の『専門医が教える 糖尿病食で健康ダイエット』(アスキー新書)は、一般の人対象のヘルシーダイエットの実践法が分かりやすく述べられていて話題になっている。



(品川緑/ユンブル)