メインディレクターとして「モンプラ」シリーズの企画・開発をけん引

WOMAN’S CAREER Vol.90

グリー株式会社 堀川智加さん

【活躍する女性社員】人気ゲーム『モンプラ』を担当し、ソーシャルゲーム業界を一歩進ませた堀川智加さん


■「モンプラ」事業の拡大やメンバー育成を通して会社全体に貢献していきたい

新卒で入社したのは業界をけん引するインターネット関連企業。サービス・価格の比較サイトを運営する部署に配属され、「インターネットを用いたサービスに対して自分ができることを見極めたい」という思いからコンテンツの企画や営業、損益管理、組織のマネジメントなどさまざまな業務に挑戦した。

約4年かけて比較サイトの管理・運営に必要な役割を一通り経験し、「インターネットサービスにかかわる上での下地ができた」一方で、ビジネスの成長可能性などからより大きなメディアに携わりたいと転職を考えるように。そこで出合ったのがグリーだった。
「業界内で急成長していた会社で、業界の最先端をけん引していくような環境は厳しそうだけど刺激的だと感じました。4年間で培った土台の上にさらにどんなことを積み上げられるか、挑戦しようと思ったのです」

ディレクター職として入社し、担当することになったのは、モンスター育成RPG「モンプラ」。ユーザーにより楽しんでもらうための施策や機能を企画し、実行に向けてエンジニアやデザイナーをけん引するのがディレクターの役割だが、堀川さん自身はゲームの経験がほとんどなく、不安も感じていたという。
「ユーザーさんの気持ちやソーシャルゲームのモデルを設計する際の考え方などがまったく想像できませんでした。一方で、未経験のことに取り組むのは面白いので挑戦してみようという気持ちも。携わってみて気づいたのは、当時はまだゲーム慣れし過ぎていなかったり、電車での移動中などすき間時間に利用されるライトなユーザーさんが多かったため、知識のある人よりもユーザーさんに近い視点でいろいろな提案ができそうだということ。自分が弱みだと思っていたことを逆に生かせるのではないかと感じました」

その視点が生かされたのが、入社3カ月目に企画した新イベントだった。それまでのソーシャルゲームではほとんどできていなかった「ユーザー同士が協力してバトルするイベント」を実施し、たくさんのユーザーがそのイベントに参加したのだ。
「ポータブルゲーム機を持ち寄って遊ぶ人たちのように、ソーシャルゲームでも一人で遊ぶだけでなく皆で遊ぶのも楽しいだろうという発想からアイデアを出しました。ソーシャルゲームでこのようなイベントを実現する難しさがわかっていなかったからこそ、常識にとらわれずに新しいアイデアを出すことができたのだと思います。その発想にエンジニアをはじめチームの皆が『実現すると面白いかも』と呼応してくれたこと、また、『皆で遊ぶ面白さ』を要素分解し、複雑なものはそぎ落として誰でも理解できるシンプルなゲームモデルを作ったことが成功の要因だと思います」

この成功を受け、「モンプラ」のモデルは社内外のほかのゲームにも採用されることに。「ソーシャルゲーム業界を一歩進ませ、歴史を作ることに貢献できたことが感慨深かった」と堀川さんは振り返る。その後、入社6カ月目に「モンプラ」のメインディレクターとなり、入社2年目を迎えた2011年秋からは「モンプラ」の運営と並行して新しいゲームタイトルの開発に携わることに。スマートフォンアプリ「MONPLA SMASH」の立ち上げだった。
「『モンプラ』シリーズの第2弾としてグローバルに多言語展開するプロジェクトです。当時はまだ海外展開の前例が社内になかったため、自分にとっても会社にとっても新しい挑戦。一方で、モンスターを用いたゲームは日本以外でも受け入れられるものではないかという仮説も持っていたので、『MONPLA SMASH』の成功が当社の海外展開の布石となるという決意を持って臨みました」

2012年6月末に一部の国限定で英語版を試験的にリリース。開発の過程で苦労したのは、生活スタイルの違いや日本ほどソーシャルゲームに慣れているユーザーは少ない可能性などから、海外のユーザーの遊び方が予測できないことだったという。
「そこで重視したことの一つが、どんな言語・地域でも楽しく遊べそうなデザインやユーザーインターフェースにすること。できるだけ言語での説明を省くとともに、英語だからとテストプレイする私たち自身が遊び方を理解できないような設計はしないことを一つの指針としました。例えば、次に進む矢印は点滅させてタップする場所をよりわかりやすくするなどです。今後は、ユーザーさんの遊び方などを見てブラッシュアップし、より広い地域に広げていく予定です」

現在はメインディレクターとしてだけでなく、ディレクターチームのマネージャーとしてもチームをマネジメントしているが、前職、そしてグリー入社後の経験が生きているという。
「前職の経験はすべて糧になっていますが、マネジメントにおいては、社会人3年目ごろにチームマネジメントに失敗したことへの反省が生きているように思います。チームをまとめる覚悟が自分に足りず、迷ってしまったことでメンバーの気持ちを一つにできなかったのです。当社に入社して半年もたたないとき、社内事情でモンプラチームのディレクターが自分一人になってしまったことがブレイクスルーの機会となりました。多岐にわたるディレクターの仕事を一人でやりくりする中で、優先順位の付け方や判断のスピードがかなり鍛えられたのです。それまで積み上げてきた経験が1本につながり、メンバーを引っ張っていく覚悟と思い切りが持てるようになったと思います」

2年弱という期間をめまぐるしいスピードで駆け抜けてきた堀川さん。今後の目標をこのように話してくれた。
「前職の数分の一の期間で、かつ少人数でさまざまな企画・開発をどんどん進めていくのは大変ですが面白く、転職時に求めていた通りの環境で働けていると思います。今後は、まずは『MONPLA SMASH』を軌道に乗せ、世界でも日本でも有名なゲームタイトルにしていきたいと思っています。さらには、SNSやソーシャルゲームのプラットフォームとしての『GREE』のシェアを確立するために、マネージャーとしてメンバー育成や部署横断的な業務に携わる中で会社全体に貢献していきたいと思います」