銀行トリビア (11) 「ネット銀行」、一般の銀行と違うのは”ネットで取引”することだけ?

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ネット銀行の最大の特徴はネットで残高照会や振り込みなどができる点ですが、それは、一般の銀行のネットバンキングでもできますよね。

ネット銀行独自の特徴としては、支店がない(あってもごく少ない)通帳がない自前のATMがないということが挙げられます。

銀行の支店はたいてい人通りの多い場所に建っているので、店舗の賃貸料などがかかるうえ、窓口や営業職員などの人件費も必要です。

また、通帳は預金者は無料で作ってもらえますが、その費用は銀行が負担しています。

通帳は預金者数と同じかそれ以上の数あるわけですから、やはりかなりのコスト。

ATMも、第9回「銀行やコンビニのATM、『時間外手数料』がかかるのはなぜ?」に書いたとおり、機械やメンテナンスなどにお金が必要です。

ネット銀行は、こうしたさまざまなコストがかからない分、振り込み手数料などを安くしたり、預金の金利を高くしたりできるわけです。

「手数料が安くて金利が高いのには、何かウラがあるんじゃないの?」と怪しむ人を時々見かけますが、理由はこうしたコストにあるのです。

ネット銀行など新しい形の銀行は、収益源も一般の銀行と違っています。

銀行は基本的に、預金者から集めたお金を企業に貸し出すのが仕事。

そして、貸出金利と預金金利の差額が、銀行の利益となります。

今は企業の資金ニーズは減り、金利も大きく下がって、銀行は昔のように貸出では利益を上げられなくなりました。

そこで、第8回「一般窓口以外の銀行の『相談コーナー』、何を”相談”しているの?」にも書いたとおり、最近は金融商品を販売することで得られる手数料も収入源になってきています。

一方、ネット銀行をはじめとする新しい銀行は、企業への貸出は行っていないところがほとんど。

住宅ローン、カードローンなど個人向けの貸出や、金融商品の販売のほか、集めた預金を銀行自身が運用するなどして利益を得ています。

また、セブン銀行のように、他の銀行から得られるATMの利用料を収益の柱にするという、新しいビジネスモデルの銀行も登場しています。

このようにネット銀行は、預金者から見えている部分だけでなく、見えていない部分でもこれまでの銀行とは違っているといえます。

なお、ネット銀行もすべて預金保険制度に加入しているので、万一破たんしても、預金者1人あたり1000万円とその利子までは払い戻されます。

安全性という点では一般の銀行とまったく同じです。

ネット銀行のデメリットとしては、銀行によっては、公共料金やクレジットカードの引き落としができなかったりする場合がある点です。

こうしたことを踏まえて、ネット銀行と一般の銀行と上手に使い分けていくとよいでしょう。