子どもにすら受け入れられない残念すぎるロンドン五輪マスコット「ウェンロック」と「マンデヴィル」の不遇

写真拡大 (全4枚)

いよいよロンドン五輪が開会、日本勢の進撃が期待される一方、鳴り物入りでデビューしたはずの五輪およびパラリンピックのマスコット、「ウェンロック」と「マンデヴィル」が、不人気のあまり不遇な扱いを受けている。


ちなみにこちらの写真は、開幕前の聖火リレー会場で、飾り付けを待って転がされているウェンロック。児童公園真ん前だというのに子どもが集まってくる様子もなく、担当係員にいたっては名前も覚えていない体たらく(「えーっと、そのデカイ目のヤツ、こっちに持ってきて!」と作業していた)であった。


そもそも今回の五輪に対しては、基本的に物事総じてネガティブな英国の国民性もあって、反対や懐疑の声が続々。五輪マスコットの発表の際も、「なにあれ」「うゎ恥ずww」「ブリティッシュ・デザインの粋だってよ」「これが俺たちの国のベストだってのか、終わってるな」「前衛的すぎてついていけねぇ」「子どもが怖がって泣くだろw」と非難囂々。

実際、シルバーの握りやすそうな棒状のボディに巨大な一つ目のマスコットは、インパクトは大きいが可愛いとは言い難い。未来的なイメージを狙ったものらしいが、一つ目のデザインが英国の監視社会を暗喩しているようだとの説もあり、まったくもってポジティブな材料がないのだ。


大人にはその魅力がわからないけれど、子どもたちならどうかと見てみるが、オリンピックマスコットに喜ぶ子どもどころか、持っている子どもさえ一向に見かけない。スーパーやデパートの五輪グッズ売り場に客はおらず、閑散として商品はいまだ山盛り、時折り観光客が珍しそうに手にしていく程度。


じつは近代五輪のルーツの地をその名に冠するらしいウェンロックにもかかわらず、開幕直後の現時点で、すでにそのマスコットは安売り量販店の店先に約半額でずらりと並んでいる。さらにパラリンピックのルーツの地をその名に冠するマンデヴィルからすれば、自分の舞台は開幕さえしていないというのにこの有様。あまりに不遇ではなかろうか。

そしてとうとう、英国版100均ショップ、全品1ポンド均一のパウンドストアで、ウェンロックとマンデヴィルのフィギュアが山盛りになっているのを発見。ここに流されてくるとは、いかに売れていないかの証拠……。



ちなみに筆者の息子(7歳)やその友だちに、「ウェンロックとマンデヴィル、知ってる?」とたずねると、「うん知ってる」。
しかし、「ひとつ欲しい?」「げー、要らない」とのこと。子ども界でもそのインパクトゆえにある程度の知名度はあるのだが、どうやら一向に訴求するものがないらしい。


河崎環
コラムニスト。子育て系人気サイト運営・執筆後、教育・家族問題、父親の育児参加、世界の子育て文化から商品デザイン・書籍評論まで多彩な執筆を続けており、エッセイや子育て相談にも定評がある。現在は夫、15歳娘、6歳息子と共に欧州2カ国目、英国ロンドン在住。