正味の話、今回とりあげる映画はちょっとスケールがデカすぎて手に負えません。なので「スケール感ヤバい!5,000円!」だけで終わらせたいところですが、大注目作なので少々駄文を付け足したいと思います。

「圧倒的な映像! 5,000円!」
街の中でドンパチやる映画は数多くありますが、この映画で描かれる街のスケール感、そしてその中で繰り広げられる戦いのスペクタクル感はとにかく圧倒的でした。街がテロリストによって容赦なく破壊されてゆくさまを観ながら「うわーっ、この街ももうお終いやー!」と本気で思ってしまうほどです。
こういう圧倒的な映像を観せられると、やっぱハリウッドってすごいのねと、首を垂れてため息をついてしまいます。男の感覚としては「外人さんのスゴいイチモツを目の当たりにして、しょんぼりしてしまう気分」に近いです。
ともかく、この圧倒的な映像を味わうだけでも、5,000円の価値はあると思います。(出来るだけ大きなスクリーンで見る事をおすすめします。本作の監督さんはIMAXシアターでの鑑賞を推奨)

で、こういう映画にあれこれ細かい事を言うのは野暮な気もしますが、負け犬の遠吠え的にマイナス点をいくつかあげたいと思います。

「所どころ腑に落ちなくて・・・ -800円」
つい映像のすごさに目を奪われがちですが、いまいちシーンのつながりが「?」だったり、展開がちょっと都合良すぎでは、と思える箇所がいくつか目につきました。ハリウッド大作なんだからあまり細かい事は気にせず見た方がいいのかもしれませんが、こと本作にいたっては、ちょっとインテリな佇まいをしている分、かえってスト-リー上の違和感や矛盾点が気になっちゃいました(単に自分が理解出来てないだけかもしれませんが)。あと、日本人として「その危険物をそんな風に処理するのはちょっと感心できないぞ」と思ったり思わなかったり。。。

「ヤンキー映画か! -500円」
バットマンというと、財力にものを言わせて作った武器やマシンで悪党どもをやっつける、というのも見どころのひとつですが、本作においては思いのほか拳と拳の肉弾戦、ステゴロ勝負が多く、なんだか『クローズZERO』(三池崇史監督)みたいだなぁと思ってしまいました。江戸っ子やヤンキー系の方はそのほうが血がたぎるかもしれませんが、もやしっ子な自分としては、もっとハイテクマシンを使ってこずるく戦う姿も見たかったです。

「もっとエロスを! -500円」
硬派な内容の本作において、唯一お色気を期待できそうなのがキャットウーマン(アン・ハサウェイ)なのですが、どういうわけかパンチラのひとつもなく、ひたすらカッコイイだけでした。もっとエロテロリスト的な活躍を見せて欲しかったです。本作に限らず、クリストファー・ノーラン監督の作品には、いまいちエロスが不足しているような気がします。

そんなわけでこの映画、3,200円の価値あり。
そして、できるだけ大きなスクリーンで見る事をお勧めします。





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「ダークナイト ライジング」
ストーリー:鬼才リストファー・ノーラン監督によるバットマンシリーズ完結編。検事を殺害した無実の罪をかぶり、ブルース・ウェインが街を去って8年後。ゴッサムシティの壊滅をもくろむベイン一味が現れ、再びバットマンとなり街を救おうと立ち上がるが...
監督: クリストファー・ノーラン
キャスト: クリスチャン・ベール、アン・ハサウェイ 他
上映時間: 165分
7月28日(土)より丸の内ピカデリー他 全国ロードショー
2012年/アメリカ

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