「うつ」になりやすい考え方・なりにくい考え方

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 うつの治療というと、まっさきに頭に浮かぶのが「抗うつ剤」です。これまで長い間、うつと抗うつ剤はセットとして考えられてきましたが、最近では抗うつ剤の効果に疑問を呈する声も。
 『自分の「うつ」を治した精神科医の方法(イラスト図解版)』(河出書房新社/刊)の著者で精神科医の宮島賢也さんは、自身もうつから立ち直った経験を持っており、その経験から「抗うつ剤ではうつを治せない」といいます。
 なぜなら、抗うつ剤は落ち込んでいる気分を麻痺させるものに過ぎず、うつになりやすい考え方や生き方をしている限りは服用しても根本的な解決にはならないからです。
 では、うつになりやすい考え方とは一体どのようなものなのでしょうか。

■自分を責めない、他人も責めない
 何か悪いことが起こった時に自分を責めてしまう人はうつになりやすいといわれます。必要以上に自分を責め、ついには自己否定につながってしまうのです。
 しかし、自分ばかりの責任ではなく、周囲にも責任があると考えればうつになりにくいのかというと、そんなこともありません。
 宮島さんは、他人を責めてばかりいても、自分の考え方を変えたり、人間関係を見直したりすることができないため、結果的にうつを引き起こす要因になるといいます。責めるというコミュニケーションを手放し、自分も相手もオッケーにすると楽になります。

■うつ症状は悪いもの?
 うつに限らず、何らかの病気の症状があらわれると、私たちはそれを悪いものだと考えて、薬を飲んだり、治療をします。
 しかし、症状とは体の悪いところを修復する過程で出るもの。すなわち症状が出るということは体が回復に向かっているとも言えるのです。
 うつ症状が出たとしても、それを悪いことだと決めつけず、「生き方を楽にして」という体からの愛のメッセージと受け取り、考え方を楽にすると、メッセージが要らなくなります。

■「仕事はつらい」という考えは捨てよう
 これは、日本人特有の考え方かもしれませんが「仕事はつらいもの」「仕事はつらくて当然」というものがあります。仕事はお金を受け取るものだから、楽しんでやる性質ではないという考え方は今でも根強く残っています。
 この考え方に捉われすぎ、たとえ好きで始めた仕事でも、義務だと感じてやると、ストレスをためやすくなってしまいます。
 「仕事は楽しいもの」「仕事は楽しんでするもの」と考え方を変えてみましょう。それだけで心は楽になるはずです。どうしても仕事が楽しいと思えなかったり、やりがいが見つからない人は、プライベートの時間や趣味に生甲斐を見つけるのも一つの手です。

 うつは、「生き方を変えて」という体からの愛のメッセージだと宮島さんはいいます。そうだとしたら、抗うつ剤で症状を抑えるよりも生き方を楽にすることでメッセージが要らなくなります。
 本書には、うつの根本的解決に向けた、考え方や生き方、食事などの常識破りの提案を多数取り上げていますので、うつに悩む方、うつの家族・知人がいる方は参考にしてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)