名古屋場所がが7月23日に幕を閉じた。先場所は散々だった上位陣がどうやって名誉挽回するかが見どころとなっているが、中でも名古屋の相撲ファンが熱い視線を注いでいたのが、大関4場所目で初めて横綱に最も近い東の正大関の座に就いた稀勢の里(26)だ。
 先場所は残り4日で後続に2差をつけ、6年ぶりの日本人力士優勝の期待が一気に高まったが、大事な勝負どころで手痛い負けを喫し、37歳8カ月の平幕、旭天鵬に賜杯を横取りされた。稀勢の里は6月25日の番付発表会見でも、「このままでは終われない」と熱っぽく語った上で、「今場所はぜひ優勝したい」と結んだ。

 その決意のほどを示すように、場所前は稽古一色の生活。
 「土俵の中の申し合い稽古だけではなく、体重100キロの隆の山を乗せたタイヤを引っ張って宿舎内の坂道を駆け上がるなど、体を動かしている時間は飛び抜けて多かった。7月3日、26回目の誕生日も、出稽古にやってきた日馬富士と息も継がずに連続26番、火花を散らすような猛稽古をしていましたよ」(相撲記者)

 稀勢の里がここまで自分から進んで稽古に打ち込む姿を見せたのは初めてだという。
 この稀勢の里が誰よりも尊敬し、お手本にしている先代鳴戸(元横綱隆の里)と大関昇進後の3場所の勝ち星はまったく同じ(31勝14敗)。ただし、4場所目の先代鳴戸は初優勝を全勝で飾り、さらに5場所後には横綱昇進を果たしているのだ。
 「自分と先代とは格が違いますから」と稀勢の里は謙遜するが、追いかけたい指標であるのは確か。

 結果は、10勝5敗。苦い失敗を繰り返した。