身近なもので発電してみる




太陽光発電の普及が目覚しいと聞くが、果たして効果的なのだろうか。昨年購入したA4サイズ・12Wのソーラーパネルをもとに試算してみた。





東京電力の料金表では、1KWhの料金は17円87銭。消費電力1,000W(=1KW)の家電を1時間(h)使用した際の電力量を意味する。1Wの家電なら1,000分の1の0.01787円、パネルの最大出力の12Wに当てはめると、0.01787(円)×12(W)=0.21444円稼ぐ計算になる。



パネルの購入金額は4,950円なので、毎日が快晴で1日8時間=3分の1日稼働と仮定すると、4,950円÷0.21444÷3分の1=約69,250時間でモトが取れることになる。日数では約2,885日、実に7.9年。気が遠くなる時間だ。



この間にソーラーパネルが故障してしまうと、計画はすべて水泡に帰す。防水、防さびはもちろんのこと、発電効率が下がらないように鳥のフンも小まめに洗い流さないといけない。



加えて、出力される電気は直流だから、家電には一切使えない。電球やLED、パソコンに使われるファンモーターが関の山だ。夜間に使用するためにはバッテリーも必要となるし、充電の制御回路も付け足さなければならず、イニシャルコストはさらに増える。ソーラーパネルの単価が下がらない限り、小規模なら「やらない方が安上がり」となる。



■ソーラーパネルの代わりを探す

ソーラーパネル以外の太陽光発電を探してみると、2点の意外な素材にたどり着いた。まずは光モノの代名詞とも言えるLED。これに光を当てると発電する、らしい。直径5ミリの砲弾型、30,000mCDの白色LEDを使って検証してみた。



使い方は至って簡単で、LEDの光る面を太陽に向けるだけ。これにテスターを接続して電圧・電流を測定してみると、電圧は2V、電流は0.002〜0.003mAとごく微弱ながらも発電していることが確認できた。点灯時は3.0〜3.6V、10〜20mAが必要だから、発電時は0.003mA÷20mAから約6,667分の1と、非常に効率が悪い。そんなLED発電機に実用性を見いだすべく、身近なところで携帯電話の充電器としてシミュレーションしてみよう。



手元の携帯電話のバッテリーを調べると、3.7Vで容量は1,500mAhだった。まず電圧は、3.7V以上ないと充電できないので、2Vではいきなり圏外だ。LED2つを直列にして4Vにすれば取りあえず条件はクリアできる。次に容量(mAh)は、消費する電流(mA)×バッテリーがもつ時間(h)を意味し、このバッテリーの場合は1,500mAの機器をつなぐと1時間、1mAの機器なら1,500時間使える計算となる。



充電時にもロスが生じず(現実的には有り得ない話だが)消費と同じ効率で充電できると仮定すると、容量(mAh)÷電流(mA)=充電に要する時間(h)が求められ、LED発電機でフル充電するには1,500(mAh)÷0.003(mA)=500,000時間(!)が必要なことが分かった。日数にして20,833日、およそ57年を要する。



ソーラーパネルと同様に1日8時間稼働とすると実に171.1年。無人島に漂着しても、携帯の充電には期待しない方が無難なようだ。



2つ目の素材はシャープペンシルの芯。つまり炭素の棒だが、これと酸化銅の組み合わせで、太陽光発電できるというのだ。酸化銅は、銅板を真っ赤になるまで加熱してから、冷水で急激に冷やして作る。



これにシャープペンシルの芯が触れるようにセットし、接触面に光を当てると太陽電池の出来上がりだ。この方法は、ソーラーパネルよりもはるかに安くあがるのが特徴。実用化されれば、安価な太陽光発電に期待が持てそうだ。



■夜はどうする?



晴れている限り永遠に続く太陽光は、最も優秀なエネルギー源に違いない。しかしながら、白夜の続く北欧は別として、日本では夜間は全く役に立たないのが課題となる。そこで、どの家庭にもありそうなグッズで、光に頼らず発電する方法を2つ紹介しよう。



まずは消臭剤に使われている活性炭。これをアルミホイルの容器に入れ、食塩水をかえるだけで電池の出来上がりだ。アルミ容器はお弁当のおかずに使うカップが最適。カップ→活性炭→カップ…と積み重ねていけば電圧アップも可能。3段も重ねると、模型用のモーターが回るので実用性も十分だ。



もうひとつはレモン電池。作り方はさらに簡単で、半分に切ったレモンに亜鉛と銅を差し込むだけで完成だ。これで約1V、5mA程度得られるというから、LEDよりもはるかに性能が良い。もちろん直列も可能で、残り半分を直列にすれば2Vにアップする。



以前、これを1,000個使った電気自動車が子供を乗せて走るのをTVで見かけた。今回紹介したなかでは、最も実用的な電池で、レモンが防災グッズの仲間入りをする日も、そう遠くないかもしれない。なお、使用後のレモンは食べられないのでご注意を。



(文/関口 寿 ガリレオワークス)