宇宙の大きさを実感しよう




宇宙はとても広大です。そのため、その大きさを数値で表すと非常に膨大になりがちです。それを避けるため、宇宙の大きさを示す独自の基準(ものさし)があります。



そこで今回はそんなものさしを使って、宇宙の大きさを体感してみましょう。



■ 「メートル」で測ってみる



まずは、日常生活でもよく使われている「メートル(m)」や「キロメートル(km)」から始めてみたいと思います。



私たちが住んでいるこの地球。

その直径は赤道方向で約12,750km、その一周の長さで計ると約40,000kmとなります。



参考までに、東京〜大阪間が最短距離で約400km、東京〜ロンドン間が約9,580km、東京〜ニューヨーク間が約10,860km。



ここまではまだ想像がつきますね。



次に、地球から最も近い天体である月。ここまでの距離はというと約384,400km。

東京〜ニューヨーク間の約35倍、地球9周半ほどの距離です。



さらに太陽までの距離となると、地球〜月までの距離のおよそ400倍で、1億5,000万kmとなります。



イメージしやすくするために、すべて1億分の1スケールで考えてみると、地球と月の距離は3.8m、地球と太陽の距離は1.5kmとなります。



ついでに天体そのものの大きさも1億分の1スケールで考えてみると、地球は直径12.8cm、月は3.5cm、太陽は13.9mとなります。



つまり、地球・太陽・月の位置関係としては、12.8cmのグレープフルーツほどの球体(=地球)から、3.8m離れたところに3.5cmのピンポン玉ほどの球体(=月)があり、1.5kmも離れたところに14mの巨大な球体(=太陽)があるという感じです。



月に比べて太陽がいかに遠いところにあるかということが分かりますね。



■ 「天文単位」で測ってみる



ちょっとスケールの大きな話になってきましたので、ここで新たな単位を登場させましょう。



それが「天文単位(AU)」です。

1天文単位は地球と太陽の間の平均距離を表しており、1天文単位=約1億5,000万kmとなります。



これを使うと、太陽系でもっとも遠い惑星である海王星までの距離はおよそ45億kmですから、30天文単位ほどです。



では、地球からもっとも近い恒星までの距離はどれほどでしょう。

もっとも近い恒星は、「プロキシマ・ケンタウリ」と呼ばれる天体ですが、そこまでの距離は270,000天文単位となります。



つまり、一番近い恒星ですら、海王星までの距離の9,000倍も遠いところにあるわけです。



ますます膨大なスケールの話になってきましたね。



■ 「光年」で測ってみる



そこで、さらに次の単位を登場させましょう。それが有名な「光年」という単位です。



「光年」は光の速度で1年間に進む距離を表しており、1光年はおよそ63,000天文単位(約9兆4,600億km)です。



地球から太陽までなら光の速度で8分ちょっと、海王星までなら4時間ほどで行けますが、もっとも近い恒星「プロキシマ・ケンタウリ」までとなると、4.2年かかる計算になります。



ちなみに、全天でもっとも明るい恒星であるおおいぬ座の「シリウス」までが8.7光年、有名なオリオン座の三ツ星の右下にある「リゲル」になると約700光年の距離となります。



それでは、さらに話を広げて、太陽系を含む銀河系となるとどうでしょうか。



銀河系は平たい円盤のような形をしており、その円盤の直径は約10万光年。

光の速度を持ってしても、端から端まで移動するのに10万年もかかるわけです。



最後に、現在地球から観測可能な宇宙の半径は、およそ470億光年だと言われています。



仮に銀河系の大きさが直径10cmのどら焼きだとした場合、光が1年間で進める距離はわずかに0.001mm。

逆に観測可能な宇宙の半径は47kmにもなります。これは大阪〜京都間の距離に匹敵します。



もう想像もできないスケールになってしまいましたね。



余談ですが、0.1mmの厚さを持つ紙を100回折ることができると仮定すると、計算上では0.1×2の100乗mmで、その厚みは何と134億光年となります。



…あくまで計算上の話ですけどね。



■ まとめ



今回は数字を使って宇宙の大きさを見てみました。



このように、あまりに広大な宇宙の大きさを扱う時には、日常生活ではお目にかかることの無い独自の単位を使っていることがお分かりになったでしょうか。



あらためて見ても、やはり宇宙の大きさは想像を超えていますね。



(文/寺澤光芳)



■著者プロフィール



小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。