“グローバル”から“隣人”まで楽しみを広げる「出会いの場」を創出

ハイパー学生のアタマの中 Vol.13

中央大学 丸岡智泰さん

ルームシェア物件の運営や地元商店と提携したクーポン配信など地域の輪づくりに尽力する丸岡さん


■「人との出会い」の力を知るからこそできる、出会いの場の創造

高校時代はボーイスカウトに参加。そこで2年生の時に出会った、当時高校3年生の先輩が僕の方向性を変えました。その先輩は自分の夢に向かって努力を惜しまない人で、一日13時間も勉強するすごい人。一方の僕はまるで勉強もせず、毎日ぼーっと過ごしていたんですが(笑)、先輩の姿にものすごく刺激を受け、自分も何かに向かって頑張ろうと思い立ったんです。「まずは大学に入って、いい環境で学びながら本当にやりたいことを見つけよう」と考えました。そこからは猛勉強の日々です。

入学後は、とにかく「やりたいことを見つけよう」とあちこちのサークル・団体の説明会に参加。その中で最もひかれたのが、海外インターンシップの斡旋を行っている学生団体、アイセックです。“海外インターンシップ”という活動を通じてグローバルなことにかかわれそうだと思ったことと、説明会での先輩のプレゼンがものすごく上手で、思わず「かっこいい!」と感銘を受けてしまって(笑)。「本当に学びたいことだけ勉強するなら、いくらでも努力できる」と熱くなっていた時だったからこそ、興味を持ったからには迷わず参加しようと思いました。

アイセックではITチームに入って、ITベンチャーを中心に営業活動をしていました。電話でアポイントをとり、資料を作って企業へ出向き、プレゼンするという流れ。今考えると、社会人一年生がやるような内容ですね。新しい環境を知ることが楽しかったので、これまではあまり話したことがなかった社会人の方々と話ができるのはすごく刺激的で勉強になりました。一方で、ただの学生ですから営業力も提案力もない。成果もうまく出ず、「そもそも自分はITに興味があるんだっけ?」と迷いが出てきてしまいました。そんな時に、アイセック選挙がありました。

選挙では、立候補者も投票する側も、全員が自己分析をしながら、一人ひとりが本当にやりたいことが何かを考えていきます。やりたいことができる組織かどうかを考えながら、理想の組織像や組織としての課題を突き詰め、代表を選出していくというとても壮大なイベント。僕は自己分析を重ねるうちに、自分にとって大事なのは「人との出会い」であることに気づきました。ボーイスカウトでの出会い、アイセックでプレゼンをしていた先輩との出会い、もっとさかのぼれば、転校ばかりしていた幼少期に、引っ込み思案だった性格を変えるきっかけになった出会いなど、自分に変化が起こるときは必ず「出会い」があることに気づいたのです。

そうした「出会い」をもっと突き詰めていこうと、2年生からはアイセックでチームリーダーを担当し、営業活動に力を入れました。同時に、グローバルとは別の視点、もっと近くにいる人たちの出会いの場をつくれないかと考えるようにも。例えば、アパートの隣の部屋の人、ご近所さん…。NEXTDOOR(隣人・次の扉)という学生団体を立ち上げたのは、実はそういう理由から。「やりたいことならどんどん挑戦するべき」という先輩のアドバイスもあり、「失敗しても方向転換したらいい」という気持ちで始めました。

最初は、地域の飲み会を企画したり、地元の幼稚園に遊びに行くといった活動をしていました。そこからさらに活動の質・スピードを上げるために10人いたメンバーを3人に減らして、最初に企画したのが「Break It! ! 」というイベント。社会人と学生の交流の場を設けるイベントで、多いときは合計130人もの人が参加してくれたんです。一方で、こうして実際にイベントを動かしてみると、見えてくる課題がありました。特に強く感じたのが、「頂いたお金に見合う価値を提供できているのか?」ということ。さらに、単発的なイベントだけでなく、「顧客満足が持続しなければ継続不可能な長期的に提供できるサービスをつくっていかないといけない」ということでした。自分がやりたい、面白いと思う独りよがりなものでなく、参加者の声に耳を傾けながら、つまりマーケティングを行ったうえでサービスをつくっていく必要があると思ったんです。

NEXTDOORの事業の柱の一つに、不動産事業があります。これは、メンバー3人が毎日顔を合わせているんだったら、いっそのこと一緒に住んでしまおうとルームシェアを始めたことがきっかけでした。実際にシェアハウスを借りようと調べていくうちに、八王子や多摩センターかいわいは空き物件が多く、それをうまく活用して交流につなげられないかというアイデアがわいてきたんです。このアイデアを先輩や社会人の方々に相談していくうちに、ただルームシェアをするだけじゃなく、外国人と共に生活をしながら英会話が学べたり、シェアハウスを利用して展覧会を開くといった、何かしらのコンセプトと組み合わせた新しい価値の創造ができそうだと思いました。居住者が一緒に企画し、運営することで利益を上げて家賃に還元していく…そんなビジネスモデルも十分に考えられます。こうしたアイデアを実現させていくのが、これからのNEXTDOORの活動の目的になります。


■恥ずかしがらず、がむしゃらに。「学生らしさ」を忘れずに

将来の個人的な目標ですが、あえて設定しない方がいいのかなって思っています。以前、とある社会人の方に「目標を決めてしまうと、設定したもの以上の成果は絶対に出ない」と言われたことがありました。僕自身、これまでは決めた目標から逆算して何をするべきか考えるようにしていたのですが、そもそもこのやり方は僕には合っていなかった。「思い立ったらやる」という気持ちが強い性格だからこそ、先のことは特に考えず、やりたいと思ったことに挑戦しながら、少しずつ目標を決めていけばいいのかな…と思うようになっているんです。

それでも、直近の目標として考えなくてはいけないのは、NEXTDOORとしてきちんとしたサービスをつくること。実は今、インターンシップ先でサービスづくりを学ばせてもらっているんです。以前から好きで利用していた、Twitterユーザー同士で、ものをあげたりもらったりできる招待制のサービス「Livlis(リブリス)」を運営するkamadoという会社。Livlisについて教えてもらおうと社長に会いに行ったことがきっかけでインターンシップをすることになり、「Clipie」という写真を使った新サービスの企画・運営をやらせてもらっているんです。学生のうちから、こうした貴重な経験ができていることを、とてもうれしく思います。

アイセックやNEXTDOOR、インターンシップでの経験を通じてわかったことは、「思っているだけじゃなく、やってみないと本当のところはわからない」ということ。実際、やりたいことをやっている人は輝いています。そして、やりたいことをやるためには、ちゃんと現場を知らなくてはいけません。

あとは、多くの社会人の方々と会う中で、「学生らしさ」を意識して行動するようになりました。例えば、恥ずかしがらずにがむしゃらにやってみるとか、ひらめいたことはちゅうちょせずに提案してみるといったことです。

学生のうちにいろいろなことに挑戦し、体験できたことは良かったです。仕事とはお金を稼ぐことですから、それに見合った価値を社会に対して生み出さなくてはいけません。それを学生のうちに知ることができたことが、一番貴重な経験かもしれません。