先週金曜日に米コロラド州オーロラで起きた映画館での銃乱射事件。オバマ大統領はこれに際し、事件を起こした犯人ジェームズ・ホームズはいずれ忘れ去られるが、行動を起こした"よき人々"は人々の記憶に残るだろうと語った。

そう、現場では少なくとも、自らの恋人を守ろうとして銃弾を受け、命を落とした3人の男性がいたのだった。

かつて海軍に属し、再入隊を考えていたジョン・ブランクさん(26歳)。彼はその日、ガールフレンドのジャンセン・ヤングさんを連れて『ダークナイト...』を鑑賞していた。ジャンセンさんは事件が起きた時、ジョンさんが自分の命を救ってくれたと話している。「ジョンは私に代わって銃弾を受けたの。彼は(何が起きたか)わかっていて、『身をかがめていよう』とばかりに私を床へと押したのよ」

犯人のホームズが通路を行ったり来たりして発砲を続ける間、ジャンセンさんはジョンさんが自分をさらに座席の下に押し込み、銃撃からそれるようにしたと語る。銃撃がおさまりかけた時、ジャンセンさんは座席の下からはい出て、ジョンさんの肩を持ちあげようとした。だが彼は動かなかった。

「ジョンを揺さぶって、『ジョン、ジョン、行かなくちゃ。私たちもここから出ましょうよ』と言うまで、私は彼が死んだことを認識できなかった」と、ジャンセンさんは『Denver Post』紙に告白。一方、ジャンセンさんの母親は亡くなったジョンさんのことを"愛情にあふれていて、娘が一緒になってほしいと思うような男性よ"表現した。

事件現場となった映画館にはほかにも、恋人のサマンサ・ヨウラーさん(26歳)を守っていたマット・マックイン(27歳)さんがいた。「犯人が銃撃を始めた時、マットと(サマンサさんの兄弟の)ニックはサマンサを床へと引っ張り、彼女を守っていた」と、サマンサさんとマットさんの家族の弁護士は『USA Today』紙に語っている。

サマンサさんは脚に銃弾による傷を負ったが、現在は回復に向かっている。だが、3発の銃弾を受けたマットさんは現場で亡くなった。ニックさんは無傷だった。「サマンサとマットの家族は、この大変な時に寄せられた皆さんからのお気遣いや思い、そして祈りに感謝しています」と、弁護士は地元紙にコメントしている。

24歳のアレックス・テヴェスさんもまた、犯人が次々と発砲する中、ガールフレンドのアマンダ・リンドグレンさんを守り抜いた。「アレックスも床に伏せようとしたのですが、これはかないませんでした」と、おばのバーバラ・スリヴィンスキさんは言う。事件後、アレックスさんの知人"ケイトリン(Caitlin)"さんは、ツイッターに「アレックス・テヴェスは、自分が知る限り最高の男性の1人だった」というツイートを投稿。彼がいない世界は良いと思えないともツイートしている。

『Denver Post』紙によると、アレックスさんはこの6月、デンバー大学からカウンセリング心理学の修士号を授与されたばかりだった。同大学でアレックスのアドバイザーを務めていたメアリー・ゴメスさんは、彼の"最優先事項は人間関係"であり、"その誠実さは称賛に値するほどで、常に友人たちを優先していた"と振り返っている。

一方、今回の事件の被害者や遺族へ募金を希望される方は、こちらから受付機関のリストを見ることができる(英語)。

突然愛する人を奪われた悲劇に際し、『ダークナイト...』のキャストもお悔やみのコメントを発表している。アメリカ社会が今後、本格的な銃規制に動いていくのかはわからないが、こういった形で奪われる命が1人でも減ることを切に願うとともに、身を挺して愛する人を守った人々がいたことを忘れないようにしたい。