テキスト系妄想メディア「ワラパッパ (WARAPAPPA )」より

ダーリンハニー吉川コラム「1番ショートが夢だった」その30

先日、とある番組で全然僕のことを知らない女性に勝手に苗字を付けられた。彼女は僕のことを「細川」と呼んだ。

僕の苗字は吉川である。でもそのとき不思議と「細川もいいな」と思った。むしろ細川の方が自分に合ってるんじゃないかとさえ思った。細いという見た目の説明が加わっている分、吉川よりも伝わりやすいのではないか。また吉川の川が入っているので、そこまで抵抗もない。急に佐藤だ島田だ中島だと言われると正直困るが、細川はしっくりくる。

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ダーリンハニー細川

妙なことを言うが、急に今まで吉川で暮らしてきた自分が変に思えてきた。別に僕は吉川じゃなくてもいいのではないか。自分にもっと合う苗字や名前があるのではないだろうか。僕は秘めたる可能性を自分で閉じてしまってはいないだろうか。

そう考えるといてもたってもいられなくなった。

僕は街頭に行き、「僕はどんな名前っぽいですか?」と聞いてみることにした。

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新橋SL広場に来ました

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あっちい




「すみません。単純に僕の苗字と名前はどんなふうに見えますか?」
「お話よろしいですか?見た目の僕の苗字はどんなんですか?」

と聞きたかったが、誰も立ち止まってくれない。

この日の気温は34℃。
暑いというよりはもう重たく、SL広場は人もまばらである。
何とかして日陰に入りたいし、できれば冷房に当たりたい。

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休憩

この日撮影に協力してくれた後輩に、僕の名前はどんなんですかと聞いてみた。

「吉川さんはタテヤマ・マモルじゃないですか」

タテヤマ・マモル…。

ピンとこない。

ピンとは来ないが、客観的にそう見えるのだったらタテヤマさんなのだろう。

「でも吉川さんって知ってますからね」

それはそうだ。一度吉川で接して覚えてしまうと、それを拭い去ることはできない。出来ることならまったく無情報の人に名前を付けてほしかった。そして一番多い名前を知りたい。

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再度チャレンジ

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ダメだ

怪しいのである。
一人で聞いていると公式感が全くないのだ。

マイクもインタビュー風のものが家になかったので、娘が好きな「ポッテイト」のマイクを持っていた。

あきらめた。

僕はこういうのはわりとすぐにあきらめてしまう。

今度はきっちりと番組ロゴが入っているマイクを作って、カメラマンさん風、音声さん風、ディレクターさん風の人を仕込んでやろう。




失敗だけではさびしいので、クジを引いてみようと思った。

苗字と名前を適当に書き、一つずつ引いてみてそれでよかったら、その名前で少し暮らしてみよう。

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名前と苗字を書く

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以前営業で使ったトークボックスに入れる

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まず苗字から

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トーマス!

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そして名前

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ビグビー

えらいことになった。
ふざけて入れた外国人の名前を引いてしまった。

ビグビーは元横浜であまり活躍できなかった(でも好きだった)野球選手である。

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トーマス・ビグビー




結局、誰にも名前はつけてもらえなかった。というか自分で勝手にくじけてしまった。ただ同時に、「吉川正洋」という何てことのない名前に愛着が出てきた。「一度別れて淋しくなって愛情が復活する」あの理論である。

吉川正洋。ほとんどが小学3年生までに習う漢字だが、この変哲のなさが自分らしいと思えるようになった。やはり僕は細川ではない。吉川だ!

そうですか!

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この記事の元ブログ: 名前をつけてくれ