6900万円トレーダーに最強の逆張りストラテジーを依頼
斉藤さんは、オシレーター系のテクニカル分析を得意とする逆張り大好きなサラリーマントレーダー。虎の子10万円をどこまで増やしてくれるのか?


オシレーター系のテクニカルをもとにしたマナブ式戦略が完成

さて、テクニカル分析といえば、以前取材させていただいた斉藤学さんがいる。斉藤さんは、50万円の資金を1年足らずで6900万円にした自他ともに認めるテクニカルオタクだ。さっそく趣旨を説明し、最強の自動売買システムを依頼。快く引き受けていただいた。

「これは買われすぎや売られすぎといった、一方的な流れが発生した後の逆張りを狙ったストラテジーです。ダマシを防ぐため、複数のテクニカル分析を組み合わせ、リスク回避としてストップロスを設定してあります」と斉藤さん。

組み合わせたテクニカル指標は相場の強弱を表すオシレーター系と呼ばれるものから「ストキャスティクス」と「RSI」、さらにトレンド系の「ボリンジャーバンド」、ラインブレイク判定として「HLバンド」を使用している。

「これらを組み合わせることでテクニカル指標におけるダマシを極力減らし、確実にトレンドが発生したことを確認できるようにしています」(斉藤さん)

各テクニカル指標で用いたパラメーターは以下の通りだ。

ストキャスティクスでは「%K」が20%を割り、かつRSIが30%を割った水準で売られすぎと判断し、ボリンジャーバンドのアッパーライン突き抜けと、トレンドフォロー系のHLバンドで、高値が「Hバンドが上に抜けたとき」という条件を追加している。なお、リスク回避としてロスカットは150pips以上と設定した。以上のストラテジーを「マナブ式」と命名し、カブロフに記憶させた。

「さらにテクニカル分析を追加して安定感を出すことも可能ですが、売買回数が減ってしまうため、以上の設定で収めました」と斉藤さん。

と、ここまで書くと非常に複雑に感じるが、実際のカブロフの設定はわずか5分足らずで終了した。バックテストもワンクリックでOK。相性のいい通貨ペアは、ドル/円の5分足と判明した。

すでに口座には10万円の資金を振り込んである。いよいよ自動売買のスタートだ。

スタート開始から約10分。マナブ式ストラテジーがヒット! まずは円安で儲かるロングポジションから入った。

ポジションを取るや否や、500円、600円と含み益が打ち出されていく。しばらくチャートを眺めていたが、これでは自動売買の意味がない。取材の時間も迫っている。あとは、マナブ式が勝手に利益を上げてくれるはずだ。




3時間が経過。取材を終えて帰社してみると…

なんと、ついさっきまで好調に利益を出していたロングポジションが750円のマイナスで決済されている。しかも事もあろうに、今度はショートポジションを構築、すでに含み損が出ている始末だ。もしや設定にミスがあったのでは……。確認したが、間違いはない。

まあ、いくら最強のストラテジーといっても、すべてのトレードで利益が上がるわけではないことは百も承知だ。しばらくは、このまま走らせ続けることにした。

翌日出社し、昨晩のトレードを確認してみると、3連敗している。しかし、ここはガマンだ。さらに翌日は1勝2敗。負けてはいるが、なんとか1勝目を上げることができた。その後も一進一退が続く。自動売買を開始して4日が経過した。

ここまでのトレード結果を見ると、数百円から2000円の範囲内で決済されている。10万円を証拠金として、2万通貨の取引なので金額的にはこの程度だろうか。

しかし、5日目に7600円というこれまでで最大のマイナスが発生した。同日に若干取り返したものの、トータルではまだマイナスだ。

確かに、バックテストの月別データを見ると、大きくマイナスになっている月もある。たまたま今月はうまくいかなかったにちがいない。

しばらくはこのストラテジーを信じて、自動売買を続けてみたい。マナブ式の逆張りプログラムが成果を上げてくれる日を信じて。

編集部員の虎の子10万円は?

今回の自動売買は、約2週間にわたって実践した。結果は、残念ながら2万3000円のマイナスとなってしまったが……。

だが、感想はというと、これが非常におもしろい。自動売買自体はもちろんだが、さまざまなテクニカルを組み合わせて、バックテストで検証できるのは今後の投資に必ず役立つはずだ。

今回の敗因は、逆張りのストラテジーをトレンドが出ている局面で走らせ続けたことだろう。

折しも、この2週間はドル/円相場が右肩下がりの円高局面となった5月25日から6月の上旬までの期間だった。

その証拠に、カブロフに搭載されているストラテジーを検証すると、同期間でもしっかりと稼いでいるものが存在していた。

相場動向に合わせて、ストラテジーを変更するのが、自動売買で儲けるポイントなのだろう。

斉藤 学さん

都内専門学校でパソコン講師を勤めるかたわら、FXをはじめ日本株やCFD(差金決済取引)を取引。その経験から、投資情報サイト「株式市況.com」を開設。さまざまなテクニカル指標を駆使し、2009年前半から2010年前半のたった1年間で投資資金50万円を最大6900万円まで増やす。自他ともに認めるテクニカルオタク。





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この記事は「WEBネットマネー2012年8月号」に掲載されたものです。