心不全のために70歳で亡くなった俳優の地井武男さん。テレビ朝日の『ちい散歩』では、飾らない姿に接した人から「ぜんぜん芸能人に見えなかった」と親しまれた。小気味いい口調に好感が持たれ、番組内であっても涙を流した人柄は多くの人に愛された。そのお別れの会は、四十九日前後に行われるという。

 地井さんは、'04年2月に再婚した12歳年下の夫人、それに死別した前妻との間の長女らに看取られながら息を引きとった。
 見舞いはほとんど断っており、家族と『どりいみい7』だけにしてくれと話していた。

 その『どりいみい7』とは、1963年に俳優座養成所入りした同期で、かつ仲がよかった7人で作った事務所。小野武彦、高橋長英、夏八木勲、前田吟、村井国夫らがメンバーである。
 「今まで浮いた話は一つもなかった地井さんだが、じつは亡くなる2カ月前に、ある女性に『復帰は無理』という内容のメールを送っていたのです」(ラジオ番組関係者)

 女性とは、文化放送の吉田涙子(るいこ)アナのこと。'97年4月から始まった『地井武男の音楽旅行』のパートナーを初回から続けている。
 地井さんからのメールが届いたのは4月末で、「この世界には戻れないと思います」という内容だった。死を覚悟している雰囲気が伝わってきたという。
 「15年の付き合いですからね。地井さんが一番、本音を言いやすい相手だったようです」(前出・ラジオ番組関係者)

 吉田アナは文化放送の社員アナで御齢41歳になる。さっぱりした性格も、地井さんが信頼を寄せていた理由の一つといえよう。
 『純喫茶・谷村新司』『田原総一朗オフレコ!』『伊東四朗・吉田照美 親父熱愛』など数多くの担当をもつ売れっ子である。
 もしかしたらお別れの会で、吉田アナが知られざるエピソードを明らかにするかもしれない。
(編集長・黒川誠一)