なぜ検察は…

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今年(2012年)4月に集団登校中の小学生の列に軽自動車が突っ込み、10人が死傷した京都府亀岡市で起きた暴走車事故の初公判が京都地裁であった。清水貴之リポーターは「43の傍聴席に250人の傍聴希望者が集まりました。被告の少年は丸刈り頭に白いポロシャツとジーンズ姿で出廷しましたが、傍聴している遺族を見ることはありませんでした」と伝えた。

なぜ軽い自動車運転過失致死傷で起訴?危険運転致死傷罪なら20年

スタジオに子供たちに付き添い、自分もはねられ死亡した松村幸姫さんの父・中江美則さんが出演した。司会の羽鳥慎一が「裁判所に行かれる前に、事故現場を訪ねたそうですが」と聞くと、中江さんは「これまで月命日以外にも何度も現場に行っています。幸姫の最後の叫びを何としても聞いてやれたらと思っています」と静かに語る。

羽鳥「裁判を見ての感想は?」

中江「被告は反省しているとは思えない。むしろ余裕すらうかがえました。何か裁判を計画通り進めている感じで愕然としました」

清水は「中江さんたち遺族は自動車運転過失致死傷での起訴ではなく、危険運転致死傷罪での裁判を求めています。自動車運転過失致死傷は最高で7年の刑、危険運転致死傷罪は最高が20年です」と解説した。

羽鳥は弁護士の田中喜代重に「なぜ検察は危険運転致死傷罪で起訴しなかったのですか」と聞く。田中はこう説明する。「危険運転致死傷罪は適用範囲が狭いんですね。法務省関係者に聞いた事があるが、危険運転とは、たとえばアクセルもブレーキもわからない人間が車の運転をしたときに適用できるという答えでした。この裁判の被告は何度も無免許運転を繰り返し、それなりの運転技術はあると判断して、危険運転致死傷罪での起訴は見送ったようです」

定員の2倍も乗って47時間無免許運転―これでも「過失」か!?

清水「事故を起こした軽自動車には8人がすし詰め状態で乗り、被告の少年は47時間無免許運転をしていました。この最中に仮眠を取ったのは5時間20分だけ。最後は朦朧とした状態で運転をしていました」

コメンテーターの吉永みち子(作家)は「定員の倍近い人間が乗り込んで、ほとんど寝ない状態で運転をしていた。これが危険でないとするなら、何が危険となるのか」と憤慨する。死亡した松村幸姫さんのお腹の中には赤ちゃんがいて、事故の3日前に「愛鈴(ありん)」と命名することにしていたという。