中国新聞社は20日、ドイツの情報機関、連邦憲法擁護庁が18日発表した国家安全リポートの中で「中国の多くの諜報機関がドイツ国内で暗躍している」と中国人スパイに対する警戒を呼び掛けたことを報じた。

 リポートは、「中国人スパイは常に機会をうかがってドイツの官僚、実業家、学者、軍人に友好的に接触し、ドイツの対中政策や軍事技術などの情報を聞きだす。さらに、プレゼントを贈ったりご飯に誘ったり、果ては中国旅行にまで招待して、情報源を獲得するのである」とした。

 また、中国の多くの諜報機関が国内で暗躍しており、その任務は「ドイツの政治、経済情報収集、反中組織へのけん制、新疆、チベット独立要求者への監視、威嚇」であると指摘。「ドイツで生活、就労している約7万9000人の中国人が、諜報機関が情報収集するうえでの巨大な潜在力となっている」とした。

 記事は、同庁による中国への警告は今回が初めてではなく、2011年にも「外国スパイに警戒せよ」とのリポートでロシアと中国を名指しで取り上げたほか、「ドイツ在住の中国人学生、学者、技術者3万人が潜在的なスパイである」としたことでドイツ在住中国人が抗議デモを起こしたことがあると紹介した。(編集担当:柳川俊之)