就職難が続く昨今の日本。「男女問わず就職は難しい」というのが現在の就活事情です。しかし過去、日本には圧倒的に女性の就職が難しく、そのため働く女性の約8割が水商売をしていた、という時代がありました。

 といってもそれはかなり時をさかのぼった、江戸時代の話。山本博文氏が監修する『数字でわかる お江戸のくらし』によると、江戸時代は親の家業を子どもが継ぐのが普通で、ほとんどの職業が男性のものだったそう。そのため女性にはまともな働き口が少なく、結果、稼ぐにはいわゆる水商売がもっとも手っ取り早かったのだと山本氏は言います。

 もともと江戸の町は「男性の比率が極端に高かったため、人肌恋しい男はあふれている」と山本氏。そのため、吉原といった幕府公認の遊郭をはじめ、夜の路上で客をひき、物陰で行っていた「夜鷹(よたか)」、尼僧の格好をした「比丘尼(びくに)」など、娼婦の形態もさまざまだったそうです。

 さらに江戸の女性に関する数字で言うと、装飾品にまつわるこんな数字も。江戸時代の女性の装飾品だったかんざしは、現在の価格で950円程度のものから、給料1ヶ月分にあたる、数十万円にのぼるものまであったと言います。

 女性の装飾品に高額なものが多いのは、今も昔も変わらないのかもしれません。というのは、貴金属ジュエリーリサイクルシステム「RE:TANAKA(リ・タナカ)」を展開する田中貴金属工業が、女性のジュエリーに関する調査を行ったところ、日本には現在、総額約1.6兆円にもなるジュエリーが眠っているという結果が出ました。

 田中貴金属工業は今年6月、自宅で眠っている貴金属ジュエリーの存在を思い起こしてもらう「眠れる輝き、発掘プロジェクト」の一環として、「日本に眠る貴金属に関する意識調査」を実施しました。「持っているが使っていないジュエリー」など、日本に埋蔵されている貴金属ジュエリーについてたずねたところ、総額がなんと推定1兆6650億円にもなったのです。

 アンケートでは約80%の女性が「使用していないジュエリーがある」と回答し、その理由は「デザインが古い」「存在を忘れていた」などだそう。装飾品といえば今も昔も贅沢品ですが、今、日本に眠る1.6兆円ものジュエリーは、なんとも贅沢な理由で眠っているんですね。



『The Quest For History  数字でわかる お江戸のくらし』
 著者:
 出版社:カンゼン
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