写真がダメなら、イラストがある?

これはおそらく、南アフリカ版『マリ・クレール』誌が8月号で使った手法だろう。同誌はキャサリン妃を表紙に起用したかったのだが、あの『VOGUE』誌の誘いも断った妃のこと、これは実現せず。南アフリカ版『マリ・クレール』誌は結局、かなり冒険してみたようだ。編集者のアスパシア・カラスさんは英『Telegraph』紙に対し、「今回の表紙は実のところ、キャサリン妃の超リアルなイラストレーションなのです。ファッション界の新たなアイコンへのアート・トリビュートといったところでしょうか」と話している。

表紙ではキャサリン妃が"南アフリカ共和国で最高のデザインを着ている"とあるが、正確には"もちろん(実際には)着ていないけど、着るべきだ"だろう。さらに雑誌の中では、5人の南アフリカのイラストレーターが同国のデザイナーのドレスをキャサリン妃に"着せて"いる。ちなみに表紙のマルチプリントのドレスは、クライヴ・ランドルによるものだ。

自分たちの作り上げたファッションをキャサリン妃に着てもらいたいというのは、多くのファッション市場が望んでいることだろう。妃はこれまでもカラーデニムの売り上げを飛躍的に伸ばしたり、着用したスーツが30分で完売するなどの"伝説"を作ってきたからだ。余談だが、最近の『Tatler』誌の表紙もイラストだったりする。

とはいえ、先日の某誌のように妃の歯をガタガタにさせるよりは、微妙なデザインのドレスのほうがずっとマシだろう。最後に、今回の表紙が<Huffington Post>の読者投票では47%が「クール!」と、53%が「ゾッとする」と答えているのも付け加えておく。

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