IMFの世界経済見通し〜注目される新興国の景気刺激策の効果

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IMF(国際通貨基金)は7月16日に、2012年4月に発表した世界経済見通しを改定し、2012年の世界の成長率予想を3.5%(4月時点3.5%)、2013年を3.9%(同4.1%)としました。

欧州債務危機が先進国のみならず、中国やインドなど主要新興国に波及して世界の成長を鈍らせていることなどを背景に、「世界経済の回復は、依然としてリスクにさらされている」と分析しています。

先進国の成長率は、2012年が1.4%、2013年が1.9%の成長にとどまる見通しです。

2012年1-3月期の世界経済の成長率が予想以上に好調であったことから、貿易の活発化を通じて国内の生産が回復したドイツと日本の2012年の成長率を上方修正しました。

ただし、英国とフランスの成長見通しを下方修正しており、欧州全体として経済情勢は依然予断を許さない状況にあると指摘しています。

また、米国については、2012年を2.0%、2013年を2.3%と成長見通しをそれぞれ0.1%ポイント下方修正しました。

なお、米国では2013年年明けに減税失効と歳出の自動削減開始が重なることによる政治的な論争が懸念されていますが、IMFでは、米政府と議会によってこれらの問題に対し措置が講じられることを見通しの前提としています。

新興国の成長率は、2012年に5.6%まで鈍化するものの、2013年には5.9%まで再び上昇する見通しです。

IMFは先進国経済の見通しの弱まりによる波及効果といった外部要因が新興国の経済の下振れリスクを高めていると指摘しています。

ただし、新興国の多くは政策の重点を景気刺激に置き、金融緩和などを既に実施しています。

そのため、IMFは、先進国が新興国にもたらす経済的な悪影響が今後増大することは想定していないとしています。

また、主な原油輸出国と内需を強化している中東および北アフリカや、他地域の影響を比較的受けていないサハラ以南のアフリカは、引き続き、着実な成長が期待できると予想しています。

世界の国・地域によって成長見通しや経済回復の時期は異なっていることから、それぞれの国・地域の景気サイクルなどが今後はより一層注目されるものとみられます。

(※上記は過去のものおよび予想であり、将来を約束するものではありません。

)(2012年7月17日 日興アセットマネジメント作成)●日興アセットマネジメントが提供する、マーケットの旬な話題が楽に読める「楽読」からの転載です。

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