この3連休の最終日、都内代々木公園では反原発集会があり、大いに盛り上がったようです。それに負けないぐらい、ある意味で盛り上がっていたのが、新宿の大手電気店。

ボーナス商戦ということで、スマートフォンへの買い替えを誘う呼び声が、街にコダマしていました。聞くところによると、実は中高年からシルバー世代がターゲットなのだとか。それも、意外なところとリンクしているようです。

「非常時の安否確認」など災害時の不安を煽る

あるコンサルタントは、こう言いました。

「すでに、来年のランドセル商戦が始まっているんです。春に近所の子どもが入学したのを見て、おじいちゃん、おばあちゃんがウチの孫も来年は入学だから、ランドセル買ってやろうって」

それが、どうスマートフォンと結びつくんですかね?

「同居してるならともかく、地方と都会で離れて暮らしている人も多いですからね。入学の様子を動画で見せてあげられますよ、なんならテレビ電話みたいに、ランドセルを背負った孫が絵付きで直接お礼を言ってくれますよ、ってなもんです」

東北大震災以降、マーケティングの世界では「シルバー世代の孫消費」というのが一つのキーワードになっています。どこで、いつ大地震が起きても不思議のないお国柄。離れて暮らす孫の安全のために、耐震性の高い住居へ移る、非常時でも安否確認が容易にできるようスマートフォンやケータイを持たせる。

デフレと不況のなか、親にとってはドエライ負担ですが、年金暮らしのシルバー世代のなかには、経済的な余裕がある人も少なくありません。そこで、風が吹けば桶屋が、の伝で、さまざまな連想からシルバー世代への消費を促すわけです。

「若い人なら多少操作が複雑でも機能全部入りみたいなのがいいでしょうが、シルバー向けにはキツい。そこで、機能も操作性もできるだけシンプルにして、シルバー世代の心理ハードルを下げ、買ってもらおうというわけです」

機能、操作性、料金プラン…何がフックになるのか

ところが問題が一つ、とコンサルタント氏。料金プランやオプションがわかりにくかったり、複雑だったりするのです。

ネットにあるQ&Aサイトや専門サイトを見ても、若い人でもわかりにくいようですから、シルバー世代なら尚更わかりにくいというのは否めません。

「まあ、それも近いうちシルバー向けに、世代限定といったかたちでシンプルな、わかりやすい料金プランやオプションプランを出してくるとは思いますけどね」

ランドセル商戦では、10万円、20万円という商品が飛ぶように売れていくのだとか。安価なものとは見るからに違いがあるのに加えて、せっかくの孫へのプレゼントだからと奮発する心理もあるようです。

「孫との絆」のためとなると、価格をあまり気にしなくていい。そうなると、シルバー世代の心に引っかかるフックは何なのか。

どういう操作性なのか、機能なのか。いま、まさに各社がシノギを削って調べ、考えていることなのだそうです。なので、肝心なことはひとつも教えてもらえませんでした…。(井上トシユキ)