[其ノ一 株 テクニカル編]東証1部に昇格する株は?
東証1部に昇格すると、TOPIX連動型投信の買い需要などが発生するため、なかば強制的に上がります。この恩恵を受けるために先回り!


東証が昇格の基準を緩和!大証との統合でどうなる

暗い話題の多い日本株市場ですが、最近 "昇格銘柄" がマーケットをにぎわしています。今年に入り、5月までに13銘柄が東証1部市場への昇格を発表しました。特に、3月以降が11銘柄と格段に多くなっています。その理由は、3月より東京証券取引所がマザーズまたは東証2部から東証1部へ昇格する際の基準を緩和したから。具体的には、時価総額の基準緩和や昇格審査の簡素化、期間の短縮などが挙げられます。それで昇格銘柄が一気に増えたのです。

東証1部の上場銘柄は自動的にTOPIXに組み入れられるため、TOPIXに連動した投資信託を運用している機関投資家などは昇格銘柄を買わなければなりません。

そのため、組み入れに伴って大規模な買い需要が発生します。よって東証1部への昇格を発表した翌日には株価が急騰するわけです(正確には、機関投資家は発表翌日に買うのではないため、今後発生する需給インパクトを先取りするイメージ)。たとえば、3月8日に昇格を発表した島根銀行や、3月22日に発表した松風は、そろって翌営業日にストップ高になりました。では、次の昇格候補銘柄としてマーケットで期待されている銘柄は何でしょうか。

その答えを探るため、昇格がどのタイミングで出てくる可能性が高いのかをチェックしておきましょう。候補企業は東証に昇格を申請し、その後に審査が行なわれて昇格が決定します。東証による審査期間中に新たな決算が発表されると審査期間が延びてしまうため、審査期間終了後に決算が発表されるようなタイミングを逆算して申請を行なうことが多いようです。

この5月に8月決算銘柄のヒマラヤが昇格を発表したことから、今後は9月以降の決算銘柄をチェックしましょう。9月と10月決算の東証2部銘柄で新基準を満たしているとみられる銘柄は要注目です。

また、来年1月予定の東証と大証の統合というビッグイベントでも、多くの昇格銘柄が登場することになります。その場合は、東証1部と大証1部の統合によって、現在は大証1部だけに単独上場している銘柄が東証1部銘柄となるわけです。これらの昇格候補銘柄に先回りで投資することができれば、めったにない需給イベントでひと儲けできるかも!?



【人気上昇中】小川佳紀(YOSHINORI OGAWA)
フィスコ 株式アナリスト

岡三証券を経て現職。相場概況から注目株まで、日本株全般から本誌に合ったネタを拾ってくれる貴重な存在。


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この記事は「WEBネットマネー2012年8月号」に掲載されたものです。