銀行トリビア (10) 銀行の『為替ディーラー』って何をしているの? どんな人ならなれる?

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ニュースによく出てくる「外国為替」。

その取引ってどんなふうに行われているのでしょうか。

また、特別なイメージがある銀行の「為替ディーラー」ってどんな仕事をしているのでしょうか。

ニュースではよく「東京外国為替市場」という言葉が使われますが、外国為替市場という場所や建物はありません。

外国為替の取引はコンピューター回線を使って行なわれていて、この取引ネットワークが外国為替市場ということになります。

外国為替を取引しているのは銀行などの金融機関なので、外国為替市場はインターバンク市場(銀行間取引市場)でもあります。

外国為替というと、丸いテーブルを囲んで電話しながら何かやりとりしている人たちの映像がよく流れますが、あれは銀行ではなく、銀行の為替取引を仲介しているブローカーと呼ばれる会社とその社員です。

現在、外国為替の取引のほとんどは、コンピュータによる電子ブローキングシステム(EBS)で行われるため、ブローカーを経由した取引もブローカーそのものも以前より大きく減っています。

銀行で外国為替の取引をしているのが、為替ディーラーです。

ディーラーは3つに分けられます。

カスタマーディーラー:顧客から為替の取引注文を受けるインターバンクディーラー(ボードディーラーともいう):顧客の注文をインターバンク市場でさばくプロップディーラー(ポジションテイカーともいう):銀行自身が利益を得る目的で外貨取引を行う(インターバンクディーラーとプロップディーラーははっきり分かれていないことも多いようです)例えば、ある日本企業が製品を米国に輸出し、代金として受け取った米ドルを売って日本円に換えたいとします。

企業の担当者は「米ドル売り・円買い」の注文を銀行のカスタマーディーラーに出します。

カスタマーディーラーはその注文をインターバンクディーラーに伝え、インターバンクディーラーはEBSに表示されるドルの売り値・買い値を見ながらいちばんいいレートで米ドルを買ってくれる相手を探し「米ドル売り・円買い」の取引を成立させる、といった流れになります。

為替ディーラーというイメージに最も近いのが「プロップディーラー」でしょう。

いくつものコンピューターディスプレイで刻々と変わる為替の状況を見ながら、自分自身の判断で外貨の売り買いを繰り返して利益を上げていきます。

そのためには、世界中の為替市場の動向や経済指標などを絶えずチェックし、海外のディーラーとも情報交換します。

外国為替取引は英語で行われるので、英語力は必須。

為替相場の先を読みながら瞬時に判断を下すための勘や、過去の相場の状況を覚えていて、似たような状況になったとき為替がどう動くか判断する能力も必要です。

銀行間での外貨取引の単位は100万通貨。

1米ドルが80円とすると8,000万円です。

これを1日に何度も売買するのですから、精神的なプレッシャーも相当大きいもの。

それに負けない精神力や、相場が荒れたときでも適切な判断が下せる冷静さなども求められます。

プロップディーラーは大きな銀行でも数人程度。

本当の専門職といえます。

現在、世界中で1日に取引される外国為替取引額は4兆ドル(約320兆円)にものぼります。

その最前線で毎日戦っているのが、為替ディーラーなのです。