キュウリパックは効果なし? 「栄養がない」は間違い?






キュウリをスライスして、あるいはみじん切りにしてほかのものと混ぜてパックにする。皆さんも聞いたことがある美容法かと思いますが、「これにはあまり効果がない」とおっしゃるのは、自然の力で美しくなることを提唱し、野菜にも詳しい山梨先生。



これはいったいどういうこと? 美容に効くキュウリの使い方、その本当の所をお伺いしました!







■キュウリパックには効果がない?



――キュウリパック、よくある美容法だと思うのですが、効果がないのですか?



「ゼロとはいいませんが、ほとんど効果はないでしょう。それは、現在主流になっているキュウリが、『ブルームレスキュウリ』だからです。



ブルームとはキュウリの表面に出る白い粉のことで、正体はケイ素。キュウリが自らをみずみずしく保つために分泌するのですが、農薬と勘違いされるため、最近はミネラル含有量を抑え、白い粉が出ないよう改良された『ブルームレスキュウリ』が主流です。



昔からある『ブルームキュウリ』は、ミネラルがとても豊富。カリウム、ケイ素、マンガンが含まれていて、特にケイ素は、代謝・免疫機能には欠かせないもので、アンチエイジングにも効果的です。マンガンも免疫系、代謝系に作用します。



ですので、キュウリをパックにするなら、昔からあるミネラル豊富な『ブルームキュウリ』ということになるのですが、ブルームキュウリは風味がよくこだわって作られていることも多いので、せっかくなら、パックより直接食べてほしいなと思います。



ちなみに、キュウリに含まれるビタミンCが肌に効くというのは誤り。キュウリには、キウイの30分の1ほどのビタミンCしかありません」



※注※



キュウリは、光に反応する"光毒性"があります。パック後すぐに日差しを浴びなければ大丈夫とされていますが、ナイトケア向きです。



■キュウリの知られざる実力、その効能は?



――でも、食べると言ってもキュウリの栄養って……?



「キュウリは栄養価が少ないと言われていますし、先ほどお話しした通り現在主流のキュウリはミネラルも少ないです。ですが、それ以外にもさまざまな成分があります。



●利尿成分『イソクエルシトリン』



むくみ解消に効果があるほか、タマネギなどに含まれるケルセチン(高血圧、動脈硬化、花粉症に効果があるとされる)の吸収力を高めてくれます。



●タンパク分解酵素、『プロテアーゼ』



キュウリはウリ科なので、ウリ、メロンなどと同様にタンパク分解酵素のプロテアーゼが含まれています。さらに、脂質、脂肪を分解する新型の強力な酵素、ホスホリパーゼが抽出されたという報告もあります。



●香り成分『キュウリアルコール』



キュウリの、青臭い香りは、キュウリアルコール(C9H12OH)と呼ばれ、森林浴の香りの一つです。ストレス解消に効果があるとされています。



●苦味成分『ククルビタシン』



ヘタの部分には苦味成分があり、これもウリ科特有の成分です。抗ガン効果があることが分かっています。



このような成分はあまり知られていませんが、重要な働きをするものばかりです」



■美容にも健康にもおすすめのキュウリ、食べ方は?



――キュウリに、こんなにパワーがあったなんて……。



「暑さ対策や夏バテ防止に、毎日でも食べてほしいですね。ただし、東洋医学ではキュウリは陰性の強い食べ物、つまり体を冷やすものですので、冷えが気になる方は塩もみしたり梅干しと混ぜたり、陽性の強い食品と組み合わせるといいでしょう。



また、特に冬場のキュウリは冷えやすいので注意してください。腎機能の向上やむくみ防止の効果はあるものの、冷えは女性の大敵です。生ではなくぬか漬けで食べるのがおすすめです。



ぬか漬けにすると、代謝、デトックス効果のあるビタミンB群が増えますし、ぬかに含まれるミネラルも摂取できます」



――おすすめの品種などはありますか?



「ブランド力のある品種は特にないのですが、やはり、旬の夏場の『ブルームキュウリ』がいいですね。風味の良さが全然違います。



旬の時期には、普通のスーパーにも『ブルームキュウリ』が並ぶことがあり、トゲトゲが強ければ、まずブルームキュウリでしょう。また最近は、こだわり野菜のコーナーがあるスーパーも増えていますが、そうしたところにあるのは、ブルームキュウリが多いですね。



おいしいキュウリの見分け方は、イボが痛いくらいにしっかりしているもの、新鮮な濃い緑色で張りがあるものです。



お尻の部分が膨らんでいるのは、水分や種が下にたまってきた証拠で、空洞ができてしまい、みずみずしさが落ちます」





――ありがとうございました!



今まで、食べてもあまり意味がないと思っていたキュウリ。この夏は、たくさん食べたいと思います!



(取材・文/島田彩子)







山梨浩利(やまなし・ひろとし)



自然の力を取り込み、心も体も美しくなることを提唱。大手食品、流通業、繊維、飼料、化粧品会社の技術指導、商品の企画開発、顧問を行っている。現在、台湾で旭恵生物科技有限公司と微生物技術を応用した農業技術、環境浄化技術によって、台湾国内で農業、畜産、養殖の技術指導を展開。



また、『波動(生命やモノを構成する最小単位、であり、色や音、におい、味など生命体の感じることの出来る源・根源)』の概念を研究し、さまざまな方面に発表している。http://merlin-c.co.jp/talents/t_yamanashi.html