ハリウッドの永遠のセックスシンボル、マリリン。数知れないスターやプロジェクトにインスピレーションを与え続け、その魅力は他に類を見ない。 そんな彼女が死去する前日、最後に書いたと言われる小切手が今月24日、ビバリーヒルズのオークションハウスで競売に掛けられることになった。彼女が最後に買おうとしていた物とは?そしてそれは、何を意味したのか...?

1962年8月5日、36歳という若さで、この世を去ってしまったマリリン・モンロー。その死因は「睡眠薬の大量服量による自殺」と当時報道されたが、その後、「役を降ろされ失望していた」という仮説は成り立たなかったことが判明。部屋から彼女の赤い手帳が消えていたり、電話の通話記録が改ざんされた疑いなどが浮上し、今なお謀殺説が叫ばれている。ジョン・F・ケネディと不倫関係にあったことや、ふたりを紹介したのがマフィアと関係が深かったフランク・シナトラであったことも、謀殺説を後押しした。

映画での華やかなイメージとは裏腹に、悲しい最期を迎えたマリリンが、死ぬ直前に買おうとしていたのは一体何だったのか。それが今回明るみに出て、ハーバード大出身の司法心理学者で司法コンサルタントの、S. デヴィッド・バーンスタイン博士(Dr. S. David Bernstein) は「彼女が自殺をしようとしていた可能性は低い」と分析する。

1962年8月4日にサインされた、問題の小切手の金額は228ドル80セント(現在の等価に換算すると約1,380ドル/11万円)。「Pilgrim's Furniture」という家具店宛てに書かれており、白い化粧タンスの購入費にあてようとしたもの。バーンスタイン博士によれば、この行動は、自殺を計画している者がとる典型的な行動パターンとは食い違っているという。

「もうすぐ自殺しようとしている人間は、自らの痛みを和らげ慰めるような行動をとるものです。」と博士は<Huffington Post>に語った。大量に買い物をしまくることはその分類に入るという。「お金を沢山使ったり、人に物を沢山あげたりするのも、気持ちが良くなることなので(その分類に入ります)。」

しかしこの場合、マリリン・モンローが購入しようとしていたのはたった一つの家具。「たった一つの物... しかも、タンスのような実用的なもので、あまり高価でもないものを買おうとしていた場合、『私はしばらくはここにいる』という気構えの人間像が見えてきます。もし私が(この事件の)心理学的検視を行なえるとしたら興味深いですね。彼女に自殺願望はなかった、という方がつじつまが合います」

さらに博士はこう付け加えた。「タンスを買う、ということは、その中に(これから)色々なものを入れていきたい、という行動ですから、『これからもしばらく生きている』と思う者がすることであり、自らの命を断とうとしている者がすることではありません」

マリリン・モンローの死から50年が経つが、彼女の魅力は生き続けている。今回のオークションを主催するヘリテージ・オークションズ社のディレクター、マーガレット・バレット氏(Margaret Barrett)はこう語った。「他にも、同じくらい成功したり、もっと長いあいだ成功した映画スターは沢山いますが、マリリン・モンローのようにコレクターの心とお財布の紐をつかむスターは他にいないでしょうね。」小切手の落札価格は、1万ドル(約80万円)以上と予測される。

アメリカで、大学の寮などに住む学生にポスターを販売する大手ポスター業者のSquidoo.comによると、マリリン・モンローのポスターは現在も常にベストセラーで、多くの学生の部屋の壁を飾っているという。今も昔も、ポスターの中から、映画の中から私達に微笑み続けるマリリン。その微笑みを殺したのは、一体誰だったのだろうか。

<マリリンにインスピレーションを受けたスターの数々!>

記事元:HuffPost、