アメリカのモデル業界では今、マーク・ジェイコブスの未成年モデルの起用問題から『VOGUE』誌での未成年モデル使用禁止まで、10代のモデルを取り巻く環境問題に取り組んでいる。

だが南半球のオーストラリアでは、(モデルの)未成年問題はさほど深刻でもなさそうだ。同国のティーン向け雑誌『Dolly』ではモデル発掘コンテスト「モデルサーチ」を展開し、その結果、今年は13歳の少女が優勝した。

10年ぶりに行なわれたこのコンテストでグランプリに輝いたのは、カースティ・サッチャーさん(写真上)。彼女はチャドウィック・モデル・マネジメントとのモデル契約を結び、『Dolly』誌の表紙モデルや同誌のアンバサダーを1年間務める予定だ。

「モデルになりたいとずっと思っていました。(オーストラリア出身のスーパーモデル)ミランダ・カーがこのコンテストで優勝したのを知っていたし、私は彼女のような人を目指しているの」と、カースティさん。

そう、今やヴィクトリアズ・シークレットの看板モデルとなったミランダもまた、13歳のときに『Dolly』誌のモデルコンテストで優勝したのだ。今年の「モデルサーチ」の案内にはミランダの写真とともに、「This could be you!(意訳:次はあなたかも!)」とあるが、その一方で、優勝者には(ミランダのような)天使のような顔だけでなく、"健康的な外見に、バランスのとれた性格、そして大勢の前で自分を表現できる能力"が求められているとも書かれている。


だが13歳という年齢は、モデル業界に入るには少々若すぎるのではないだろうか? 『Dolly』誌の元エディター、ミア・フリーマンは"容姿を重要視しすぎる"として、2002年の「モデルサーチ」を中止した。彼女はmamamia.com.auのウェブサイトで「『Dolly』誌には、外見だけで判断する傾向に断固とした姿勢を取ってほしい。どれだけ着飾っても、モデル業界では外見がものをいうのだから。(美容整形手術などで)自分を痛めつけることで外見を変えられる女の子もいるでしょうけれど、モデルになれるのはごく一部なの」とコメントを出している。

一方、『Dolly』誌の編集者ティファニー・ダンクは、今回の「モデルサーチ」では外見の美しさではなく、各自が持つ自信や才能を重要視したと主張。「応募者の髪の色や体重は問いませんでした。それにザ・バタフライ・ファウンデーション(The Butterfly Foundation、摂食障害のサポート団体)にも協力を求めていました」

『Dolly』誌による「モデルサーチ」優勝者