(株)川島織物セルコンは、渋谷ヒカリエ内にオープンする「東急シアターオーブ」に設置されるル・コルビジェのタペストリーを製織した。
このタペストリーは、昭和31年(1956年)に、渋谷ヒカリエの前身である東急文化会館がオープンした時、ル・コルビジェの原画「闘牛14号」をもとに、同社が館内最大の映画館「パンテオン」の緞帳として製作・納入したものを、今回タペストリーに再現したものでる。東急文化会館の閉館に際し、会館関係者の「巨匠ル・コルビジェとその弟子・坂倉準三、両氏の想いが詰まった、また、渋谷という街を見守ってきた緞帳への想い」を知ったことから、1/5サイズのタペストリー製作を提案し、製作が実現したという。
このプロジェクトでは、50年以上前の仕事に関する詳細な資料が残っていなかったため、同社OBにヒヤリング調査するとともに、現存する緞帳を入念に分析し、製作当時の素材(糸・染料)、製織方法など必要なデータを収集。緞帳を230分割して撮影した画像を合成し、デザイン画を制作した。
当時の緞帳は、非常に立体感のある織物で、様々な織技法を取り入れた、手の込んだ手法で作られたものであったが、本作品は緞帳の約 1/5 のサイズ(寸法:幅4.8m 高さ2m)でその風合いを再現する必要があるため、緞帳製作などに用いる「綴織」を採用、糸種や色に工夫を凝らし、数種の経糸密度を効果的に配置するなどして、精巧に再現したという。

川島織物セルコンでは、「ル・コルビジェ、坂倉準三という二人の巨匠のプロジェクトへの参画、また、その想いを再びこのような形で表現する機会を与えて頂いた東京急行電鉄株式会社様に感謝すると共に、次代への技術継承に努めていきたい」としている。