ブログで作品を評論したら作者の目にとまり書籍化

写真拡大

 現代短歌の第一人者である穂村弘氏と、気鋭の歌人・山田航氏の共著『世界中が夕焼け:穂村弘の短歌の秘密』(新潮社/刊)の刊行記念ミニトーク&サイン会が7月9日(月)、東京・代官山の蔦谷書店で行われた。
 本書は、穂村氏の短歌に山田氏が読解文を寄せ、それに対して穂村氏がコメントをするという構成となっており、短歌の愛好者であれば作品のタネ明かしを楽しめ、短歌に馴染みのない人であれば、読解文をガイドに作品を解釈することができる。

 本書の企画のきっかけとなったのは、山田氏が自身のブログ「トナカイ語研究日誌」で行っていた穂村作品の評論「穂村弘百首鑑賞」。それを穂村氏本人が目にしたことで、今回の共著が実現した形だ。本書に掲載されている読解文も、この「穂村弘百首鑑賞」が元となっている。
 
 穂村氏は、山田氏の評論について、「ネットでエゴサーチをしている時に見つけ、その時は百首のうちの二つ目か三つ目だったから、本当に百首やってくれるのか不安だった。若者は根気がないだろうし、そんな地味なことを続けられるのかと(笑)」といい、山田氏は「本人に見ていただけているかもしれないと思ってやっていた。こつこつ続けることだけが取り柄なので百首やりとげようと決めていた」と語った。

 また、穂村氏は「内容が良くなかったら見なかったことにすることもできたけど、彼の分析はすばらしかった」として、本書が実現した背景には山田氏の評論の質の高さがあったことを明かした。

 饒舌ではないものの、言葉を生業にする二人だけにその語り口は独特。
会場に詰めかけた読者からは、トークショーの間、しきりに笑いが起こり、その後に行われたサイン会も大いににぎわっていた。
(新刊JP編集部)