ローソン店内のLoppiにスマホをかざしてクーポンを発券するしくみ

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広告は、人が大勢いるところ、訴求したいターゲットがたくさん集まるところに投下されるものだ。いま若い人たちが集まる場所といえば、なんといってもスマートフォン、それもコミュニケーション・サービスの画面である。

特に勢いがあるのが、NHN JAPANが提供する「LINE」だ。もともと無料通話ができるアプリとして人気があったが、簡単な言葉をやりとりする「メッセンジャー」機能の利用者が急増し、一大プラットフォームになりつつある。

国内ユーザー2000万人、アクティブ率は驚異の82%

LINEのメッセンジャー機能とは、短い言葉をやりとりできるもの。通信キャリアを問わず、複数の人と同時にやりとりできる(グループチャット)などの特徴がある。

筆者の周囲の大学生に聞いたところ、メールはほとんど使わず、LINEのチャットを使っている人が多い。通常の通話もLINEで行っているので、さまざまなツールがLINEに置き換えられている。

ユーザー数は急増中だ。2011年11月時点では500万人だった登録ユーザーは、翌12月には1000万人となり、12年7月1日には世界230の国や地域で4500万人を突破した。

日本では、スマートフォンユーザーの44%に当たる2000万人が登録、月間アクティブ率82%という驚異的な頻度で使われている。登録しているだけでなく、多くの人が使っているということは、広告媒体としても重要な要素である。

LINEではさらに、このメッセンジャー機能を使って企業が情報を流せる「LINE公式アカウント」を6月18日から開始している。アカウント開設に必要な費用は、初期費用が200万円、月額150万円からという。ユーザーは、企業の公式アカウントを「友だち追加」すると、企業からの情報を無料で受け取ることができる。

公式アカウントを開設したローソンは、店頭で使えるクーポンをLINEで配信し、店舗への誘導を図っている。あるアルバイト店員は、早速こんなツイートをしている。

「高校の傍のローソンでアルバイトをしているものですが、昨日だけでローソンのLINE限定のクーポンを持ってきた高校生が100人近く来ました。まさに企業がSNSとコラボすることが宣伝だけじゃなく、直接売上利益に影響する時代が来始めたのですかね」

「スタンプ」の売り上げは2か月で3億5000万円

若い人たちは友人とのメッセージのやり取りのために、常にスマホの画面を気にしている。メッセージの内容に合ったタイミングを見計らって投入することで、効果も上がりやすい。

「ローソンのあきこちゃんから、Lチキの画像とともに半額クーポンが送られてくるみたい。お昼時を狙うとは、ホント昼飯テロだねえ…」

というツイートもみられる。「Lチキ」とは、ローソンで販売している鶏のから揚げ。若いスマートフォンユーザーとコンビニとの親和性は、非常に高い。

牛丼チェーンすき家を運営するゼンショーは、新メニューやトッピングのクーポン券を配信している。面白いのは、公式アカウントにメッセージを送ると、自動でメッセージを返信してくるところである。

何万人もいる登録ユーザーの質問や意見に、いちいち答えることが物理的に難しい。しかし、いくつか決まった返信内容を決めておけば、擬似的な会話を楽しむことができる。こういうしかけで、企業や商品への親近感を高めることはできるだろう。

LINEのメッセンジャーでは、文字だけでなく「スタンプ」と呼ばれるイラストを送ることもできる。無料のものも用意されているが、最近は有料のものもある。このスタンプの売り上げは、ここ2か月で3億5000万円にものぼっているという。

10代、20代がいかにも好きそうなものを集め、今後「最強のプラットフォーム」として成長しそうな勢いだ。これから、どんなものが流れてくるのだろうか。(岡 徳之)