『マグダラで眠れ』支倉凍砂:著、鍋島テツヒロ:イラスト(アスキー・メディアワークス)

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 第12回電撃小説大賞(2005年開催)で銀賞を受賞、シリーズ累計400万部を突破し、テレビアニメやゲームにもなったライトノベル『狼と香辛料』の作者・支倉凍砂の新作『マグダラで眠れ』(支倉凍砂:著、鍋島テツヒロ:イラスト アスキー・メディアワークス)が7月10日に発売される。

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 この新作は、眠らない錬金術師スークラの物語を描いたファンタジー。人々は新たな技術を求め、異教徒の住む土地まで領土拡大を試みていた。そんな中、教会に背いた罰として同じ錬金術師のウェランドとグルベッティの工房に送られてしまう青年錬金術師スークラ。そこには彼らを監視するという白い修道女・フェネシスが待っていて……? そんな『マグダラで眠れ』を何倍も楽しむため、彼らの織りなすその「先」の世界を覗く前に、物語の鍵となりそうな“マグダラ”と“錬金術”について予習しておこう。

 “マグダラ”と聞いてまっ先に思い浮かぶのは“マグダラのマリア”だろう。聖女と娼婦2つの顔が語られる彼女は、西洋絵画にもよく登場し『ダ・ヴィンチコード』(ダン・ブラウン 角川書店)でも鍵となる存在だった。そんな彼女について書かれた『イエスが愛した聖女 マグダラのマリア』(マービン・マイヤー 日経ナショナル ジオグラフィック社)を読めば、もしかしたら物語の謎を解くヒントが見つかるかも? マグダラというのは彼女の出身地でイスラエルにあるガリラヤ湖近くの町といわれるが、『マグダラで眠れ』の舞台と比較してみるのもおもしろいかもしれない。

 そして、錬金術の理解を深めるためにもってこいなのは『金枝篇』(ジェームズ ジョージ フレーザー 岩波書店、筑摩書房、講談社等)だ。『交響詩篇エウレカセブン』(BONES、片岡人生、近藤一馬:著 角川書店)にも登場するこの本は、呪術や宗教、錬金術が科学に至る歴史などについて考察されている。

 また、錬金術の発展に貢献した十字軍の遠征をイスラム側から描いた『アラブから見た十字軍』(アミン・マアルーフ 筑摩書房)を読めば錬金術の歴史がわかるし、異教徒との戦いという点でも参考になるのでは?

 最後にあげる『パラケルススの世界』(種村季弘 青土社)は、「ホムンクルスを作った」「賢者の石を持っていた」などの伝説を持つ錬金術師・パラケルススについて書かれた本だ。

 この4冊を読めば『マグダラで眠れ』をより深く楽しめちゃうかも?

(ダ・ヴィンチ電子ナビより)