断食道場とは違う、「断食療養所」ではどんなことをするの?




断食と言えば、食事をとらない、そしてやせるというイメージがあるかもしれません。体重を減少させるために断食を行う、断食道場などもはやっていますね。しかし、断食療養所で行われている断食は、ただ食事をとらない、そして体重を減らすということではないようです。今回は、断食療養所「静養院」の寺井さんに、断食療養所における断食についておうかがいしました。



特別に決められたプログラムはありません



「一般に断食道場と呼ばれている場所では、食を断つ断食と減量のための何らかのプログラムが組み込まれていると思います。しかし、断食療養所では特別なことは何もしません。個々の目的や症状のカウンセリングは行っていますが、基本的な内容は予備断食・本断食・回復食という食事のメニューだけ。断食中に起こる反応をもとに、不調の根本原因を見つけ、解消していく予防療法です。



予備断食では食事の量を徐々に減らし、本断食は水以外に何も口にしない期間となります。その後、回復食で少しずつ消化吸収機能を回復させる、これが食事の面での断食です。そして、当院ではこの食の断食以外には何も行っていません」(寺井さん)



ヨガやコアリズムなどを取り入れた、ダイエットのための断食道場とは、内容がかなり違っているようです。



食べない・動かない・考えない



――「何もしない」とは、どういうことなのでしょうか?



「断食療養所の目的は、断食療法を通じて健康な心と体を取り戻すことです。とにかくやせたいという人も多いですが、太ったと感じるということは過剰栄養の摂取であり、運動不足ではないということ。そのため、ただ体重だけを見るのではなく、サイズを落とすこと、なぜ太ったのかという原因を知ることが大切です。そして、その原因を認識し、改善するために、動く(肉体)・考える(心)・食べる(内臓)といったすべてのものを断ち、リセットを行うのが、当院の断食療法です。断食療法によって、自分自身の体にとって一番自然な状態を見つけることができます」



原因を自覚することが大事



「当院での体験断食の日程は、本断食2日を含む7日間。本断食に入る前の予備断食期間、そして本断食後の回復食はこちらで準備いたします。しかし、それ以外の強制的なプログラムはありません。あくまで個人ベースのプログラム指導で、入所者の皆さまにはとにかくリラックスして過ごしてもらいます。ゆっくりするのも良いですし、音楽やDVDなどを楽しむのも良いでしょう。



ただ、人によって改善したいこと、不調の原因などは異なります。そして、その原因を自覚できていないケースも多いのです。そこで当院では、丁寧にカウンセリングを行い、その人にとっての健康とはどういったものかを考え、客観的なアドバイスを行っていきます。また、入所期間終了後も、日常生活の中で自然で健康な状態を保てるよう、必要に応じてアドバイスをしています」



ただ食事を絶つだけではダメ



「体重を減らすだけなら、カロリーの摂取量を減らせば良いのです。そのため、我流の断食でも体重を減らすことはできるでしょう。しかし、それでは食以外のストレスは断つことができません。結果的に、リバウンドをしてしまうケースも考えられます。断食療養所では、体に入ってくるあらゆる要素を断ち、いったんリセット状態へと導きます。そして、その後の生活の中で、安定した健康な状態を保っていくことを目的としているのです」



寺井さんによると、睡眠不足や精神的なストレスから、過剰に食事をとってしまっているケースも多いとのこと。そういった原因を知らずに、ただ食事制限をしてもストレスが増してしまうだけなのですね。そして、そのストレスからまた食べ過ぎてしまう……という悪循環も起こり得るでしょう。一度、体も心もリセットする。そんな断食療養所で、自分の体や心の状態と向き合ってみてはいかがでしょうか。



(OFFICE-SANGA 森川ほしの)