ブラジルW杯アジア最終予選の6月3番勝負を2勝1分けで終えたサッカー日本代表。背番号10を背負う香川真司(23)は「自分にとって大きなチャレンジ。最初にインパクトを残す結果を出したい」とマンチェスター・ユナイテッド(マンU)入りを明言した。

 そんな僚友に「自分もビッグクラブにふさわしい選手。メッシやクリスティアーノ(ロナウド)のように年間40〜50点とれるストライカーになるのが目標」とライバル心をむき出しにしているのが、CSKAモスクワの本田圭佑(26)だ。
 「あれだけ強気な言葉を口にしているのは、本田のもとにもビッグクラブからオファーが届いているから。4年に一度の欧州選手権(ユーロ2012)が始まり、代理人たちはポーランドとウクライナに集結していますが、豪州戦が行われたブリスベーンにも欧州の有力代理人が来ていた。香川がプレミア・リーグに移籍するのに合わせて、イングランドのライバルクラブが本田獲得に乗り出しているのです。プレミアでは宮市亮(アーセナル)と李忠成(サウサンプトン)もプレーしており、これに日本のツートップが参戦すれば、ブンデスリーガ(ドイツ)以上の市場が出来上がる。その商品価値を誰よりも計算しているのが本田なのです」(大手広告代理店)

 では、本田の移籍先はどこか。本誌が入手した情報によれば、マンUと最大のライバル関係にある古豪リバプールだという。
 ビートルズの出身地として知られるリバプールはロンドンから鉄道で2時間半の距離にあるイングランド北西部の港湾都市。香川が移籍するマンチェスターとは切っても切り離せない関係にある。
 マンチェスターは産業革命で中心的役割を果たした都市として知られ、リバプールはその外港。マンチェスターで生産された工業製品はリバプール港から世界中に送り出されてきたのだ。経済の発展に伴い、両クラブはサッカーにおいてもイングランドをけん引してきた。
 国内リーグ最多の優勝19回を誇るマンUに対し、それに次ぐのがリバプールの18回。ここ20年こそマンUに後れを取っているものの、1980年代まではリバプールがナンバー1クラブ。ただ、サポーターが国内外で暴動を起こし、フーリガン問題などがもとでマンUに主役の座を奪われていたのである。

 本田のリバプール移籍情報は今回が初めてではない。「冬の移籍市場」を控えた'10年12月と、昨年12月にも「本田リバプール入り?」として英国の新聞などが報じている。
 「意外かもしれませんが、リバプールではホンダの名はベッカム級の知名度があるのです。というのも、'11年5月から日本の本田技研がリバプールと3年契約でパートナーシップ契約を結んだからです。F-1を撤退しても英国ではHONDAのネームバリューはいまなお抜群で、近隣に英国工場もある。同じ名前の本田にリバプールが着目したことで本田技研はパートナーシップ契約を結んだのでしょう。HONDAのロゴ入りユニホームで本田がプレーすれば、スポンサー的にもメリットがある。まして香川が宿敵マンU入りし、相乗効果も狙える。そんな背景もあって本田のリバプール移籍が再燃しているのです」(ロンドン在中のサッカージャーナリスト)